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【19歳学生】拒食と過食、運動強迫。カウンセリング卒業1年後のお話

みなさんこんにちは。摂食障害オンライン相談室を運営する、元摂食障害の心理士、渡邉茜(わたなべ・あかね)です。

この企画は、当カウンセリングの卒業後を追う企画。

今回ご紹介する卒業生は、現在20歳のりんかさん(仮名)。
2023年5月に卒業し、約1年ぶりの近況報告インタビューを行いました。

課題/回復のアプローチ

【りんかさんカルテ】
■症状:過食・ジム通い
■カウンセリング期間:2023年1月〜2023年5月(4ヶ月)
■サポート内容
通話10回

■初回ヒアリング内容
2020年の秋(高2)から部活がきっかけでダイエットを始める。
2021年5月頃から過食が始まりパニックになることが増えた。

現在も食事と行動にこだわりがあり、生きずらく不安が強い状態。
食事は普段は制限しているのに、ときどき過食してしまう。
ジム、歩く、ストレッチ、筋トレをやらないと不安になる。

課題


りんかさんの課題として、3点ありました。

1、普段拒食、爆発して過食

過食症といいつつも、普段の食事は拒食的でした。
「朝」100g・納豆・味噌汁
「昼」米100g・肉・ 副菜
「夜」ささみ入りのもやしサラダ
「間食」さつまいも・低カロリーアイス

しかし、食事制限するからこそ、その反動で過食が引き起こされていると考えられたので、普段の食事を「本当に好きなものを選ぶ」という訓練が必要だと感じました。

2、強迫的なジム通い

ジムに通うことが日課になり、「●時間運動しないと安心できない」という状態でした。

3、進路の不安

りんかさんは当時、学校を休学していました。
今後の進路に不安があり、現実から目を逸らすために、過食につながっているとも考えられました。


卒業1年後のインタビュー

1|カウンセリングをうけようと思った理由

一人暮らしをしている中で、不安や悩み焦りを第三者の人に話したかったし、とにかく治療という名がある事に取り組んでみたかった。
母があかねさんのYouTubeを見ていておすすめされて見ている中で、自分の心の中を全部言ってくれてる気がしたり、私以外にも同じ悩みを持っている人が居るんだ!と思い私も実際に話を聞いてもらいたいと思った。

初めは、お母様からの紹介でしたね!初めは緊張のためもあり、心の距離が遠いかな〜と思いましたが、回数を重ねるごとに苦しい気持ちを話してくださいました。

りんかさんの素晴らしいな〜と思ったことは、毎回カウンセリング前に前回からの様子を整理して、要点を絞ってまとめて、質問を自分から積極的にしてくれたことです。冷静になれば、自分の気持ちを整理できる力のある方だと感じていました。

2|カウンセリング中の、症状・生活・価値観の変化

私はカウンセリング中ジムに通ってましたが、何回やらなきゃ、何分間走らなきゃなど強迫的な症状があり出来ないと凄く罪悪感と恐怖がありました。

でもあかねさんに相談した時、完全に辞めるように言われると思いましたが、少しずつ時間や回数減らせるといいねとアドバイスを頂いたり、摂食障害の子はほとんどそんな感じなんだよと聞いて、私が今ここで回数を減らしても平気なんだ!自分だけが回数に囚われて無かったんだ!と思いだんだん手抜き・休憩を覚えていけました

カウンセリングを受けようと思っても、「マイルールをゼロにしなさい!」と言われるのではないかと身構えてしまいますよね。

もちろん、ゼロにすることは素晴らしいこと。
でも、私は「急な変化ほど反動がくる」と思う派です。
だから、マイルールなどは1パーセントずつ、安心できる範囲内で行動をかえていくことが、結果的に無理なくマイルールを手放すことにつながると考えています^^

3|カウンセリングで苦しかったこと
(また、それをどう乗り越えたのか)

苦しかったことは、あかねさんにアドバイスもらったことが出来なかった。良い報告が出来ない。

前回話した時は理解し前向きだったのに、もう病気に支配された。など早く改善しなきゃと焦りやプレッシャーがありました。

乗り越えられたのは、前回と同じ悩みになってしまってもあかねさんは、全く否定もせず話を聞いてくれて受け入れてくれたので、カウンセリング後半は焦りを感じず、思うがままにプチ努力が出来ました

あはは〜たしかに、プレッシャーになっているときがありましたね。
一応、どのクライアントさんにもカウンセリングの最後に「次回までの行動目標」を決めますが、それがほどよいプレッシャーに働く場合もあれば、強いプレッシャーになってしまう場合もありますよね。

でも、失敗したということは、「その目標設定があっていなかった」ということだから、学びに変えて軌道修正すれば良いだけなんですよね。

「できなかった」ということは、挑戦しようとした証です。
挑戦しようとすらしなかったら、「できなかった」という気持ちにはなりませんからね^^
そういう意味で、りんかさんは行動を変える努力がたくさんできた人でした。

4|カウンセリング卒業後、症状、体重、生活など

卒業後すぐは病気に悩まされ苦しかったですが、現在は食べたい物を食べ、自分のルールに囚われず思うがままに過ごせています!体重は家に体重計が無いので測っていません!笑

うんうん、卒業したからって完璧に治るほうがめずらしいです。かならず克服の最終段階でも、再発や大きな波があります。
摂食障害の症状がストレスの現れだとすると、症状がぶり返す時は「新しいことに挑戦しているストレスを感じているとき」だと思うんですよね。
社会生活を取り戻していくことの方が、症状があることよりも重要ですから、そういう意味では「症状がぶり返しながら、社会生活に挑戦していく」というステージは、立派な回復の過程だと感じてます^^

5|自分はなぜ、回復できたと思いますか?

バイトをしたりや友達と遊んでいる中で、病気が凄く邪魔になりました。今までは病気に合わせて過ごしていましたが、だんだん自分のルールよりも友達優先!や人と関わるのが好きなので、色々な人と関わっていく中で、色んな人がいてみんなそれぞれ違う悩みがあって、1人じゃない。と思えたんだと思います。気付いた時には病気を気にしていなかったし、いつ治ったのかは分かりませんが、思った時には気楽に過ごせていました。

わ〜〜〜最高だ!私も同じ過程を経ながら回復したのでめっちゃ共感します。

私を含め、多くの克服者の最終ステージでは、「日常生活を充実させる工夫をした結果、症状を忘れられる時間が長くなり、気づいたら何日も過食していなかった」という期間を過ごします。

つまり、「日常を心地いいもので満たす」という工夫を積み重ねていくうちに、気づいたら心を過食で満たす選択肢がなくなっていたということなんだよね。


6|自分はなぜ、摂食障害が必要だったと思いますか?
(摂食障害になった意味は、何だと思いますか?)

私には摂食障害は絶対必要だったなと思います。発症前の自分と回復後の自分は別人みたいで、発症前は自分の意見が周りに中々言えず、溜め込んでいました。それをどこにも吐かずに。そして控えめな性格だから。。と常に思っていたので、やりたい事も言いたいことも出来なかったことがほとんどかも知れません。

でも今では、関東に来て知り合った友達や知人からは凄く明るくてゲラでバカな子って言われてます笑

周りからだけでなく自分でも、私ってこんなに明るかったっけ?
こんなはしゃいでたっけ?
ってふと思います。

だから本来の私の姿は今の私で、摂食障害によって本来の私を導き出してくれたんだと思います。

わ〜〜〜ん。めっちゃいいじゃん!
そうだよね、やっと本来の自分になれたんだよね!

今まで、優しいがために、周りを優先して生きる生き方だったはず。そこから、自分で生き方を見直したからこそ、心地いいと思える自分になれたんだと思います!ほんとうにすごい!

7|摂食障害回復中の方にひとことメッセージ

苦しいし。もどかしいし。
でもその先の未来は楽しいはずです。私は自分が回復後生まれ変わったように明るくなれましたが、摂食障害になれて良かったなんて思いません。思わないけど、こんな苦しまずに生まれ変われる方法他に無かったんか!!って摂食障害に愚痴を吐くくらいです。
回復中の方々今はお辛いと思いますが、明るい未来が来る事を願ってます🍀😌

摂食障害という病気を使って、自分に向き合うことができるということを、背中で示してくれたりんかさん、ありがとう!

願いを叶えていくためには、苦しみも伴うけど、りんかさんのように「摂食障害が必要だった」と思って、本来の自分を満喫できる人がふえたらいいね!

インタビューの協力、ありがとうございました^^


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