ドラえもんとクレヨンしんちゃん

 うちの息子は、2000年代生まれにはわりと珍しい、クレヨンしんちゃんに大ハマリした一人です。
 知らない人が聞いても、「ああ、この子クレヨンしんちゃんが好きなんだな・・・」とバレバレのイントネーションで話し、スーパーで「おやつ買ってもいいよ」というと、必ず嬉しそうに「チョコビ」を持ってきて、プール開きの前日には、こっそり油性ペンでお股に「ぞうさん」の顔を書き、親を爆笑させたが、海水パンツから耳の部分が出てしまう事を指摘すると、我に返って落ち込んでみたり・・・
 5歳になる1カ月くらい前からは、晴れてしんちゃんと同い年になるという事で、ワクワクが止まらず、「お誕生日が来たら、ワサビ入りのお寿司食べていいよね」と何度も何度も確認しては、嬉しそうに小躍りしていた。
 
 そんな息子にある時、「何でそんなにクレヨンしんちゃんが好きなの?」と聞いたところ、「僕だったら絶対恥ずかしくて出来ないことを堂々とやったり、悪い大人やいじめっ子も笑いでやっつけちゃうし、見ててすっきりするから好き。ドラえもんは、見てて嫌な気持ちになるじゃん。それがないから好き」と答えた。
 んん?ドラえもんは、見てて嫌な気持ちになるとはいかに?
 「だって、ジャイアンは弱い者いじめするし、スネ夫は感じ悪いし、のび太は怠け者だし、ドラえもんはすぐのび太甘やかすし、だから嫌い」
 
 子供の頃の私は、そんなこと特に疑問に思わず、ただただ、ドラえもんの四次元ポケットの中身のどれか1個だけ使えるとしたら、何を使いたいか話で友達と盛り上がっていたのに、昔に比べたら、かなりマイルドな内容に変わった今の「ドラえもん」でも、彼にとっては、見ていて嫌な気持ちになるアニメだったのだ。

 かつて(今も?)、子供に見せたくないアニメNO.1の「クレヨンしんちゃん」には、確かに、弱い子が一方的にいじめられるシーンがない。
 シニカルな笑いで、弱い者いじめや、権力を振りかざすことは、恥ずかしい事だとすら、感じさせてくれる。

 とは言えど、人前でお尻を出して、「ぶりぶり~」とかやってしまう子の親であれば、本当に見せたくないアニメであることも事実。
 うちの子は、たまたま、節度のある(お股にぞうさんは書いたけれども)しんちゃんファンだっただけかもしれない。
 
 ハマるも八卦、ハマらぬも八卦。

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