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フタルキー(Futarchy)とは?次世代のDAO投票方式をわかりやすく解説!
こんにちは、Daishoです。
今回は、次世代のDAO投票方式「フタルキー(Futarchy)」について解説します。
このnoteで解決できる課題
フタルキーとは何か?がわかる
DAOの投票方式のヒントが見つかる
フタルキー(Futarchy)とは?
フタルキーは、経済学者のロビン・ハンソンが提案したもので、「価値に投票し、信念に賭ける」という原則をもとに作られました。
政策を直接投票で決めるのではなく、成功の指標(例えばGDP)を決め、その指標を最も良くする政策を予測市場で選ぶ方法です。
これにより、それぞれ自分の予測が正しければ利益を得られるので、より積極的に情報を集めるようになります。
例えば、「銀行を救済する」という政策提案があるとします。この場合、政策を受け入れるか?拒否するか?に基づいて、2種類のトークンが発行されます。市場では、どちらのトークンが価値が高いかを予測して取引が行われます。
フタルキー(Futarchy)の具体的な流れ
より具体的には、次のような流れになります。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143868694/picture_pc_ff38e54a953e3a620fcf8ed0d1dfbf58.png?width=800)
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STEP0. 成功指標と満期を決める
ここでは「10年後のGDP」とします。
つまり10年後のGDPがどうなっているかを予想すると決めることです。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143869761/picture_pc_55a0bfee6d949cb796639931c6ebffd7.png?width=800)
STEP1. 政策提案
「銀行を救済するかどうか?」という提案がされます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143869770/picture_pc_9fafd1d6e3eef53c5d8091acb534fc86.png?width=800)
STEP2. トークンの発行と市場取引
提案に対して、2種類のトークン(賛成トークンor反対トークン)が発行されます。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143869779/picture_pc_a0eaad4768bf6b6390d1df59973c2853.png?width=800)
ここで正しい予想に賭けられた1トークンあたり、10年後のGDPの1兆ドルにつき1ドル支払うことにします。
例えば、あなたが1トークン持っていて予想が当たった場合に、10年後のGDPが1兆ドルなら1ドルもらえるということです。
賛成トークン
政策が銀行を救済すると予想する場合に買うトークン
反対トークン
政策が銀行を救済しないと予想する場合に買うトークン
そして市場参加者は、どちらのトークンが将来的に価値が高くなるかを予想して取引します。
例えば、多くの人が銀行を救済することで経済が良くなると予想すれば、「賛成トークン」の価格が上がります。
逆に、銀行を救済しない方が良いと考える人が多ければ、「反対トークン」の価格が上がります。
今回の例では、2週間の間に「賛成トークン」の平均価格は24.94ドル、「反対トークン」の平均価格は26.20ドルとなりました。
STEP3. 両市場の閉鎖と方針採用
一定期間後、より高い価値が付いたトークンの方針が採用されます。
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つまり、「賛成トークン」の価格が高ければ銀行救済が実施され、「反対トークン」の価格が高ければ銀行救済は実施されません。
今回の場合は「反対トークン」の方が高い価値がついているため、銀行救済は実施されないことになります。
STEP4. 政策結果と市場閉鎖
一定期間後、より高い価値が付いたトークンの方針が採用され、最終的に銀行は救済されなかったとします。
今回の場合「賛成トークン」市場の取引が全て無効になります。
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STEP5.市場の成熟と成功指標の測定
市場が成熟した後の成功指標が実際にどうなったかを測定します。
例えば今回の場合は、「10年後のGDP」としており、実際の値は$28.9Tドルでした。
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STEP6.報酬の分配
政策結果の予想を当てた「反対トークン」の保有者は、1トークンあたり28.9ドルを受け取ることができます。
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どんな課題を解決できるの?
フタルキーは具体的に以下の課題を解決するために生まれました。
1.有権者の無関心と情報不足
普通の選挙では、自分の一票が大きな影響を与えないと感じる人が多く、政策についてあまり詳しくないことが多いです。フタルキーでは、予測市場に参加して正しい情報を持っていれば利益を得ることができるので、もっと積極的に関与するようになります。
2.継続的な改善
予測市場では、うまく予測できない人の影響力は減り、うまく予測できる人の影響力が増えます。これにより、時間が経つにつれて政策決定がどんどん良くなります。
3.感情的な影響の減少
普通の選挙では、候補者の個人的な魅力や感情的な要素が選挙結果に大きな影響を与えます。フタルキーでは、政策そのものに焦点を当てるため、感情的なバイアスが少なくなります。
4.専門知識の活用
専門家や分析会社が自分の知識を市場で活用し、利益を得ることができるので、政策決定において専門的な知識がより効果的に使われます。
5.ガバナンスの透明性と効率性
フタルキーの市場メカニズムにより、政策決定のプロセスがより透明で効率的になります。市場のデータを通じて、どの政策が支持されているかが明確にわかります。
これらの問題を解決することで、フタルキーはより効果的で公平なガバナンスを実現しようとしています。
まとめ
このようにフタルキーでは、投票や意思決定に予測市場を使うことで、有権者の関心や経済合理性に基づいて正しい投票や意思決定ができることが期待されます。
今後もより良い投票方式が生まれることを期待して、みんなで最高のDAOを作っていきましょう。
参考文献
免責事項
本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。具体的な法律問題については、専門の弁護士等の法的アドバイスを受けることを強くお勧めします。本記事の情報は執筆時点のものであり、その後の法改正や判例の変更等により内容が変更される可能性があります。著者および本記事の発行者は、本記事の内容に基づいて行われた行動に対して一切の責任を負いません。
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