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【褒めてしつける】にも色々あるよ!〜トレーニングの手法について

【褒めてしつけます!】って言ってる訓練所とか、トレーナーさんとか、ほとんどで、今どきは【うちは叱ります!体罰与えます!】って所の方が少ないですね💦

なるほど、時代は【褒めるしつけ】の時代なんだな!
だから、どのトレーナーに頼んでも、皆褒めるしつけなのね!

って、考えは大間違いです!!!!! 

【褒めるしつけ】って言葉は、本来【ポジティブトレーニング(陽性強化)】と呼ばれるしつけ方の事を指しています。

まずはこの、ポジティブトレーニングともう一つ対象的なネガティブトレーニングについて…
私は学者さんでは無いので、かなーり噛み砕いた表現で説明しますね!詳しく理論が知りたいって人は、今どきネットで調べると、より科学的根拠に則った説明を書いてくれている人も居ますので、調べてみて下さい。

まずは、

ポジティブトレーニングとは…
にとって好ましくない行動、望まない行動)を防ぎつつ、犬に成功(人が犬にして欲しい行動、好ましい行動)をさせるように、犬の体や心に負担を掛ける事なく誘導し、成功したことを褒める事で、犬が自発的に好ましい行動を取りたくなる様に仕向けるトレーニング方法

で、これと対象的にあるのが

ネガティブトレーニングと呼ばれる手法

ネガティブトレーニングとは…

犬の失敗を叱って(時に痛みを伴う体罰や、脅かす)、強制的に(リードや首輪を引っ張る、犬の体に力を加えて望ましい行動をとらせる)人が望む行動を取らせて、叱られるから失敗せずに成功するという方向へと、犬の行動を導くトレーニング方法

ポジティブとネガティブは、その言葉の通り、相反する考え方に則った、相反する手法のトレーニング方法となります。

さて、ここからが今回の記事の本題としたいところで、

本来なら【褒めるしつけ】という言葉は、ポジティブトレーニングにのみ使われるべき言葉でした…

ところが、日本にポジティブトレーニングが伝わって来た頃、日本にはまだネガティブトレーニングしか存在してなかった為に、なかなか正しい理解が広まりませんでした。

その結果…

犬は褒めなきゃいけない!!!

と言う、表面的な考えだけが、ここ20年くらいのうちに日本中に広がりました。

そして、どうなったか?

ネガティブの手法をとりながら、褒める…

つまり、

強制的に(リード引っ張ったり、お尻押さえたりして)犬にオスワリをさせる、無理矢理座らせた事を、とにかく褒める!!

とか、マテの練習なら

マテをさせて、失敗(何らかの刺激で動いてしまった)に対して、叱る(体罰などで脅かす、ビックリさせる)

叱られて恐かったから、次は動かないでマテた事を、褒める!!

と言うやり方をとりつつ…
【褒めてしつけてます!】
と言う人が、増えました…

先に述べた、ポジティブトレーニングの定義とは全く異なる事をしているので、本来こんなやり方は褒めてしつけるとは言えません。

オスワリの例を取ると…

ポジティブトレーニングの場合も手法は色々ですが、基本はある程度犬に【何をすれば良いのか?】を考えさせて、オスワリの行動を取れるようにヒントを与えつつ優しく誘導します。勿論、怖がらせる様な事もせず、無理矢理抑える事もしません。


オスワリ出来たら褒められます。
マテもそうです。
マテをさせている時に、失敗して動くほどの刺激は避けます。成功出来る程度の刺激から褒める事を繰り返し、徐々に刺激を強めても、犬が【マテをするのが楽しいから待つ!】と言う選択を取れるように教えて行きます。

…私の下手な言葉で、お解り頂けたでしょうか?

現在日本にあるトレーニングの手法は、ポジティブ、ネガティブ、両方存在しています。
一括に【褒めてしつける】と言っても、その本質は全然違うのです。

そして、それぞれの手法で犬にもたらす精神状態も変わって来ます。

ポジティブトレーニングは、犬の自主性を尊重するトレーニングです。
要は、叱られるからとかじゃなく、犬が自らしたいからする!って行動を伸ばすからですね。そこに自発的な行動が生じやすくなります。
なので、犬たちは好んで、何をすれば良いのか?を考えること、率先して色々してみること、そして正解を得て褒められる快感、達成感で益々人とのトレーニングに楽しみを見出していきます。

ネガティブは、間違った行動をしてしまうと叱られる、だけどその【間違い】の定義は人間の物差しで図っての間違いだから、犬には何がどうして間違いなのかが理解できない。なので、犬は自発的な行動を控える様になります。何故なら、下手に動くと叱られるかも知れないから、指示を待ってから確実に動く方がラクなんですね。
ですから、ネガティブの方が、【従順な犬】は育ち易いのかもと思います。従順な犬が好きな人には、好まれる手法でも有りますね。
これは私の個人的な意見ですがね…

そんな訳で、ここでお伝えしたかった事は…

ポジティブとネガティブでは、全然違うよ!
真逆の考え方に則った、真逆の手法で、結果的に犬の心や行動に与える影響も全然違うよ!
双方の良いとこ取りみたいな事をしても、いけないよ!根本的に違うから、犬が混乱するよ!

だから、【褒めてしつけてます】って事よりも、自分が教わろうかと思うトレーナーさんが、どんな手法や考え方で教える人なのかをちゃんと見極めて、自分の価値観でもって、何を教わるか決めてね!

って事です。

ちなみに、ここ数年大流行の犬の幼稚園とか保育園と言われるところで、トレーニングもやってるところも、よく調べましょうね。

※写真は、可愛いお客様のご姉弟の練習風景。ポジティブトレーニングで教えた事は、犬たちは喜んでしてくれるので、扱う人を選ばず動きやすいです。犬も人も楽しそうで、見ているこちらも幸せな気持ちになりますね😊

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