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#011 センバツ高校野球 21世紀枠 出場校決定 当日の父親の心境【番外編】

 本日、2024年1月26日(金)に、いよいよ選抜高校野球21世紀枠の出場校が決定する。書くかどうか迷ったが、決定当日の父親の心境を残したい。
 昨年、2023年12月8日(金)。息子が所属する高校の野球部が21世紀枠の九州代表に選ばれた。昨秋の鹿児島大会で次々と強豪校に競り勝ちベスト4となったことが評価された。選ばれれば第2回大会以来の99年ぶりの甲子園となる。 


○21世紀枠の意義

 実は21世紀枠の意義を深く考えたことがなかった。それが正直なところである。息子は小学4年からソフトボールのスポーツ少年団に入り、中学では軟式野球を経験。硬式野球をはじめたのは高校に入学後である。一方、世の中には小学校から本格的に硬式野球を始めている子もいる。私立の強豪校では、甲子園出場を目標に、長時間のきつい練習に選手達は耐えている。そんな甲子園に青春を捧げている選手の夢が叶えばと思うわけである。
 が、自分の子供の野球部が21世紀枠出場の候補となると、現金なもので、その存在がありがたいと思う。鹿児島県内には、神村学園、鹿児島実業、樟南高校などの強豪校が凌ぎを削っている。いち公立高校が強豪校を破り、自力で甲子園出場を決めるのは至難の業であるが、21世紀枠があると、特色がある公立高校もリアルに甲子園を目指せる。今はそのことが全国の野球のレベルの底上げにつながると感じている。

○21世紀枠の九州推薦を受けることができた理由

 推薦を受けることができた理由を3つ挙げたい。
 一つ目は、かごしま国体・かごしま大会開催の影響で秋の県大会が1か月前倒しとなったことである。私立の強豪校が新チームになって間もない時期の試合であったため、準備が十分でなかったことが考えられる。準備期間が短いのは公立高校も同じであるが、私立の強豪校は練習時間が長いため、1か月でも大きく成長する。うちの野球部に運があったということである。
 二つ目は、選手たちが秋の県大会の試合を通じて成長できたことである。強豪校との試合は、神経をすり減らす局面の連続である。1つのエラーが致命傷となる。が、神がかったプレーの連続で、デッドボールを相手に当ててもニコニコしていた。
 三つ目は、選手の自主性を重んじた練習である。練習メニューは、選手達が考えたものを工夫しながら行っている。また、以前のnoteで触れたが、練習試合のあと、選手達はポジション別に円陣をつくり、試合の振り返りをし、次回以降の練習で改善を図っている。強くなるため、お互いに厳しいフィードバックをしている。

○率直な父親の心境

 ぜひ、21世紀枠の出場校に選ばれてほしい。それに値する選手達であり、運もある。
 親としても初詣で甲子園出場を願ったし、X(旧ツイッター)を21世紀枠で検索し、様々なツイートを見て一喜一憂もした。12月8日から親同士で飲み会をし楽しい時間を過ごすことができた。そして、それは選手・監督のおかげ。感謝しかない。
 また、一方で、選ばれる怖さもある。期待に答えられるか。大きなプレッシャーに潰されないか。そんな不安がよぎることもある。でも、よくよく考えると選手達に失うものはない。21世紀枠はチャレンジャー枠。どれだけ活躍しようが、どれだけ失敗しようが、お金で買えない経験ができる。レアな経験である。

○選手達へ

 21世紀枠の出場校に、選ばれるか、選ばれないか、わからない。
でも、選ばれたら、昨秋の大会のように、笑顔でプレーをしてほしい。ヒットを打っても。ピンチでも。甲子園の大声援でお互いの声が聞こえなくても。
 そして、楽しんでほしい。スタメンでも、コーチャーでも、ベンチ入りできなくても。
 それができれば、秋の県大会のような奇跡が起きるかもしれない。運をもっている。

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