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変わりたくない人たちの国

 フランスに来て3週間が経った。
 フランスは変わりたくない人たちのための国なんだなあ、と思う。フランス人も、ここに住んでる外国人も。

 日本にいても変な奴で、イギリスに行っても変な奴で、フランスなら馴染めるかと思ったけど、私はフランスでも変な奴だった。それに落胆もしているけど、安堵もしている。

 全てに保守的で、全てを閉ざして、自分だけが正しいと思い込んでいるホストファミリーと、それを肯定する在住日本人。そんな人たちが全てだとは言わないけど、そうやって身を守ることがフランスで生きるということなんだろう。

 私はここに永住はできない。

 多分、私はどこにも永住できない。

 私はどこに行ってもここではないどこかに惹かれている。あちこち転々としてはここではないここでもないと、存在しないユートピアを目指している。それが私の人生なんだろう。

 変わりたいわけじゃない。本当は変わりたくない。でも変わらないで生きていくのは無理だ。実家のベッドの中の数年間で学んだ。

 フランスにいる人たちの多くが、「変わらないで生きていける」ユートピアを望んでいて、そのために抵抗している。日本にいる人たちの多くが「事を荒立てずなんとなく生活していける」ユートピアを望んでいて、そのために流されている。

 私は、流されることはできない。でも変わっていきたい。変わらないことが無理なら、自分が望む方向に変わっていきたい。そして私はフランスに来た。

 生きていく覚悟がないんだろうな。

 普通にホストファミリーとうまく行ってなくてワー!ってしてる。めちゃ口論しているし、一度落ち着いた口論を、何日か経つと内容を忘れちゃうのか何度も蒸し返してくる。記憶力おさかなさんか?

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