楽天の販売手数料を試算してみた驚きの結果
6掛けの仕入れ掛け率ではネットショップは成り立たない
掛け率という言葉をご存知でしょうか。小売店などで、6割引で商品を仕入れることを6掛けと言います。
1000円の商品を600円で仕入れると、売れた時に400円の儲けがでます。ただしコレで計算していたら、楽天に出店しているようなショップはつぶれます。
ということで、今回は楽天市場に出店してみた場合の手数料を試算してみました。
楽天市場の驚くべき高額な手数料とは?
一般的な小売業の掛け率
一般的な実店舗で服などを売っているお店は、掛け率の相場は6掛けと言われています。大量に仕入れたり、過去の実績により多少の差はあります。
食品などは7掛けが相場。業界により差はありますが、大体6割から7割くらいの値段で仕入れるのが一般的なようです。
楽天市場ショップの実情
6掛けなら、1000円のもの売れば400円の利益が出ると思ったら大間違いです。楽天市場では商品が売れるたびに手数料がかかります。毎月固定費もかかります。
驚くことに楽天市場の手数料を計算すると、出店プランにもよりますが12%から20%くらいを差し引かれています。
楽天市場に支払う以外にかかる費用としては、梱包代、事務用品代、送料、家賃、人件費…。
試算
金額にすると、実際にはいくらの利益が出るのでしょうか。1000円の商品で計算しちゃうと、少し現実的ではないので、一般的にある平均単価4000円のショップで計算してみましょう。
4000円のものを仕入れるのに6割かかると仮定すると、2400円かかるので、もし何も経費がかからなければ今の時点で利益は1600円です。
楽天市場に仮に15%の手数料をとられるとして…
手数料 4000円 × 15% = 600円
残り利益は1000円です。
まだまだ経費はかかりますよ!
梱包にダンボールとOPP袋(フィルム紙のような透明な袋)に入れて送るとすると、ほかにOPPテープ(ガムテープ)、緩衝材、コピー用紙(2枚)、プリントインク代など50円くらいはかかっていると思います。
さあ、利益はいくらかというと…
1000円 − 50円 = 950円
この試算に人件費、家賃、光熱費、インターネット代、電気代、電話代など…
たとえば月のこの辺の経費を確認してみると、
家賃50000円
インターネット+電話代6000円
光熱費10000円
人件費250000円
合計316000円
1日30個売れているとして、月間900個
316000円 ÷ 900 = 351円
残る利益は…
950円 − 351円 = 599円
4000円の商品を販売した時には、599円が利益です。
これを少ないと見ますか?多いと見ますか?何にしても楽天市場お金貰いすぎ!と言いたいです!
楽天市場の悪態
ここまで見てきても、1600円の利益のうち、1001円を楽天市場がもらっているという事実から、その手数料には驚かされるのではないでしょうか。
しかし、まだあります!
楽天市場はショップからお客さんに商品を送る際の送料からも手数料を取っています。
仮に送料700円とすると、700円の15%で105円。
先ほどの599円から差し引くと…494円。
4000円の商品を売った利益が494円です。
楽天市場はさらに消費税からも手数料を差し引いているようですが、ちょっと計算が複雑になってきたので、な、なかったことに…
ちなみに、先ほど計算した送料700円というのも、一般の方がヤマト運輸を使った場合には一番安くて930円かかります。
毎月の実績があった法人契約だからこその700円であって、普通に800円くらい送料かかるショップもありますからね。
不安定な販売構造
4000円の商品を売った時の利益は分かりました。しかし、ここからもう少しだけ経費が差し引かれる場合があります。経費と言っていいのかはさておき、どこのショップにも起こる事象ですが、お客さんの長期不在や受け取り拒否による返品です。
月900件のうち、2人くらいは長期不在や受け取り拒否で商品が戻ってきます。
これが厄介なんですよね。
出荷した分の送料も回収できないわけですから、往復分の送料をショップが負担しなければなりません。しかも返送分は一般価格の送料なので、最低でも930円はかかります。
しかも梱包代なども入れると、1680円もかかります。受け取り拒否とか本当辞めてほしいですね!本気で請求したいですね。
楽天市場がゴリ押しする3980円送料無料
先ほどの受け取り拒否なんかは考慮してませんが、今回の試算によって4000円の売上げのうち、494円が利益でした。(手数料15%で試算)
こんな少ない金額なのに、今回ゴリ押ししている3980円送料無料の送料分まで負担することになったらどうでしょう。
一発OUTです!!
生き残れるのは手数料が安い上位プランのショップのみではないでしょうか。
今回の試算では売るほど赤字になりますね。もし3980円送料無料が実現してしまったら、ショップとしては泣く泣く商品代金に乗せるしかありません。
それも全額乗せて、果たして価格勝負できるのか。できません。Amazon、ヤフーショッピングなどほかのショップに流れるか、送料を自社で負担できるような大型店が生き残っていく未来がまっています。
今回は楽天市場の手数料に焦点を当ててみましたが、Amazonやヤフーショッピング、ほかのネットショップサービスに比べて、楽天市場は圧倒的に手数料がかかります。
全てのネットショップが6掛けで無理ではないのでご安心を。それにしても楽天市場どう考えているんでしょう!
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