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映画「ペンギン・ハイウェイ」をレビューしてみる

先日、森見登美彦原作の「ペンギン・ハイウェイ」を観てきました。
実は小説の方は、だいぶ昔に読んだことがあるのですが、内容はもうぼんやりとしか覚えておらず…でも、不思議なわくわく感と純粋な気持ちと寂しさを感じたことは覚えています。

朝のニュース間にCMを観るぐらいで、あまり多いな宣伝はしていない印象。実際、映画館のスクリーンも小さかったし、来場者もそこまで多くなかった。

でも、私はこの映画、おもしろかったし、名作だと思いましたよ。アニメだし主人公は小学生だから子供向けだと思われているのかもしれませんが、むしろ大人にこそ響く映画だと思いますので、いろんな人に観て欲しいですね!

以下、ネタバレを含んだ感想になるため、ご注意を。

主人公は頭が良く(むしろ頭でっかちな)、好奇心旺盛、研究熱心な小学4年生のアオヤマ君。基本的には彼の目線と思考で物語が進むため、子どもの時に感じたあのまっすぐに真実を追う気持ちが、まぶしくて、純粋な気持ちになります。
ヒロインは歯科医院で働くおねえさん。年齢や名前などは一切出てきませんが、大人の女性で、チェスが得意。アオヤマくんはこのおねえさんとおねえさんのおっぱいが好き。(なぜか原作でもこのおっぱい好きは強調されてたなw)

そんなある日、街にペンギンたちが現れるようになり、ペンギンはおねえさんが出したものとわかり、おねえさんを中心に次々と不思議なことが起こり始め、街がおかしくなっていく。おねえさんと街の異変の真実にたどり着き、最後はアオヤマくんとおねえさんとたくさんのペンギンで街を元に戻すのですが、おねえさんは消えてしまうという、一見悲しいラストを迎えます。

でも不思議と悲しい思いよりも、すがすがしくて、未来に希望がもてる気持ちが残るのですね。

この映画、アオヤマくんやその友達の目線でストーリーが進んでいくので、謎は結構残るのですよね。おねえさんが結局何者なのかははっきりわからず。アオヤマくんのお父さんは一見頭の良さを生かした様々なアドバイスをしてくらますが(またこのお父さんがとても素敵ですw)、世界の裏側のこともそうですし、何かを知っているようにも見えます。そもそもお父さんの仕事もわからないし。(海外出張へ向かう場面はあるのですが…)
ハナモトさんのお父さんたちがどういった調査を進めていたとか、おねえさんとハナモトさんのお父さんから調査協力の話を受けてそれからどうなったのか、アオヤマくんがおねえさんに会わない間、おねえさんに何が起こっていたかも、わからない。おねえさんとアオヤマくんの家族との関係性も。想像するしかない。

つまり、大人の事情は、この映画ではぼやかされているんですよね。ここでは子供たちが主人公で、アオヤマくんや子供たちの冒険の世界がひろがっている。端的に言うと、子供たちの世界が正義、それを脅かす大人は敵といった位置づけですね。

アオヤマくんは頭のいい子で、一見マセガキかとも思うんですが、論理的に物事を考えられて、かつ大人顔負けの発想力をもっています。
また、アオヤマくんの視点でこの出来事をみると、とても冒険な出来事でわくわくするし、将来大人になってもこの謎を追求しておねえさんに会うという、夢があって、そこがまた視聴者の想像をかき立てる、いい要素なんだなと思います。

大人視点で観ると、どこかのレビューで「生と死」がテーマにあるなんていうものもあったような気がしますが、あまり深くそこまで考えてなかったので、もう一回、その視点で観てみたいですね。

ペンギンたちもとってもかわいくて賢くて、不思議な生き物でしたね。おねえさんがペンギン好きだから、ペンギンなのかな。そのあたりの関連性がなぞなんですが、私もペンギン大好きなので、たくさん観れてうれしかったですw

なんかあんまりうまくまとまってませんが、個人的にはかなり気に入った映画でした!

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