「訪問はキャンセルで」と言われたときこそ
この記事は788文字です。
精神科の利用者さんから
「今日の訪問看護はキャンセルしたい」と連絡が入ることがあります。
本人や家族の受診が急遽入ったなどの
やむをえない事情でなく
「調子が悪いからキャンセルしたい」という理由のことがあります。
不自然ですよね。
調子が悪いと自覚しているなら
早く医療者に来てほしいと思いませんか?
ほかには
受診もするつもりだけど訪問看護の見立てを聞いてからにしようかな…
と思うのが、利用者さんや家族の心情かと思います。
調子が悪いから早く来てほしい(緊急コールするほどではないけど)、
と思っている精神科の利用者さんももちろんいるとは思いますが、
調子が悪いから人に会いたくない、
というのは精神科では珍しくないことです。
調子が悪いから、人との対話そのものがストレスになる。
幻覚妄想のせいで、外部の人間を家に入れられないとか。
ここ数日調子が悪いからお風呂に入れなかった
→そんな不潔な状態で訪問に来てもらうのが申し訳ない。
…だから、キャンセルしたい。
となるわけです。
利用者さんの意思を尊重するならば
キャンセルすることは簡単ですが、
次につなげられなくなる可能性もあります。
またキャンセルすればいいという考えになるのは望ましくないです。
調子が悪くなる可能性があるから
主治医が訪問看護の指示を出したのだ、
入院にならないためにも必要なんだ
ということを伝えて、
調子が悪い時こそ訪問させてもらいたい旨を伝えています。
それでもキャンセルを強く希望される場合もありますが
別日に振り替えるなどして会えるようにしています。
調子が悪くてお風呂に入れない、
というのはすでに困りごとが発生している状態です。
症状は抑えられなくても
日常生活の困りごとが解決されていくように
お手伝いをするのが我々の仕事です。
調子が悪いときこそ、
訪問させていただきたいなと思っています。
お読みくださりありがとうございました。
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