熱狂のチャイコフスキー×心震わすグリーグ｜読売日本交響楽団 富岡廉太郎（首席チェロ奏者）
こんにちは！note更新担当のたぬ子です。
昨年、大好評をいただきました『伊予銀行presents 読売日本交響楽団 愛媛公演』が、今年は指揮者/藤岡幸夫さん、ピアノ/清塚信也さんで愛媛に帰ってきます。
公演に先駆けて、読売日本交響楽団（以下、読響）の楽団員さんにインタビューを行いました。公演を楽しむ準備として、ぜひご覧ください！
今回は、首席チェロ奏者の富岡廉太郎さんに、チェロの魅力や演奏される曲の聴きどころについて、お伺いしました。
何もない僕がみつけた、ただ1つの選択肢
ー 楽器を始められたきっかけを教えてください。
僕は勉強も運動もそんなにできる方ではなくて、小学生当時得意なものが何にもなかったので「自分にできることは何もない」と思っていて。両親が音楽家なので、ヴァイオリンやピアノもやったんですけど、それも全然ダメで。
そんな時に、小学校の音楽教師をしていた祖父が、退職時に持って帰ったチェロを弾いてみたら、割と最初から潤った音が出たので「僕にはチェロしかない！」と心奪われました。
そこから、今でもずっとチェロにしがみついている感じです。
チェロが繋ぐ、人との出会い
ー チェロの魅力を教えてください。
チェロは、ソロとしてメロディーを弾くこともありますが、主な仕事はアンサンブルなんですよね。読売日本交響楽団もそうですが、私の仕事は共演者がいる舞台が殆どで、四重奏、七重奏、八重奏、室内オーケストラ、そして100人弱のオーケストラなど、様々な方たちと一緒に音を出しています。
そんな、他の楽器と共演の機会が多い楽器だからこそ、僕は人生で多くの恵まれた出会いを得ることができました。チェロをやっていなければ、絶対に得ることのできなかった出会いですし、これまでの人生で人と繋 がるきっかけは全てチェロでした。
甘く優しいピアノを支えるハーモニー
ー 愛媛公演プログラムの聴きどころや、チェロの注目ポイントを教えてください。
ピアノコンチェルト（グリーグ『ピアノ協奏曲 イ短調 作品16』）のソリスト清塚信也さんは、実は桐朋学園の先輩で。彼はピアノはもちろん全てに才能があり、僕と違って運動神経も良くてその中でもサッカーがとても好きなんですよ。
そんな彼が、僕をサッカー部に誘ってくれたんですけど、彼がサッカーに対してあまりに真剣で厳しすぎて、僕は怖くて1日で辞めてしまいました。
ですが彼の音楽は本当に甘くて優しくて、以前もこの曲を共演したので彼のグリーグを聴いたことがあるんですけれど、とても魅力的な優しいピアノなんですよね。
チェロの注目ポイントは、第3楽章のピアノのメロディーを支えるソロです。有名なソロは第2楽章にありますが、そこよりもこちらを聴いていただきたいですね。
甘くて繊細な信也くんのピアノを、チェロが弱い音でありながら音色や発音をコントロールし、ハーモニーで支えるソロで、とてもやりがいがあるんですけれど、それだけにとても難しいです。
しかも「次の小節はどんな音色になるのかな」と、共演している方と探り合いながら、音でコミュニケーションをとっていますので、お客さんにもその会話が伝わる演奏ができればいいなと思います。
詳細・問い合わせ先
伊予銀行presents 読売日本交響楽団 愛媛公演
2023年10月1日㈰ 13：15開場 14：00開演
愛媛県県民文化会館 メインホール
SS席：完売 S席：完売 A席：5,500円
問い合わせ先
公益財団法人 愛媛県文化振興財団
089-927-4777（平日9：00～17：00）
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