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日本の女子サッカーに不足しているのは情報量。

日本の女子サッカーがプロ化します。『 #これは新しい日本のキックオフだ 』のキャッチフレーズに胸躍る思いです。私は、その意義について宇都宮徹壱ウェブマガジンのインタビューでお話しさせていただきましたので、ぜひ読んでいただきたいです。しかし、実は、日本社会全体見ると女子サッカーのプロ化についての話題は、発表後の数日までですっかり霧散し、残念ながらネット検索をしても論争すら起きていないのが現実です。

女子プロサッカーをどのように扱って良いのか!?戸惑いがあるのではないか。

そんな無風状態の中で少し話題になったのはこちら。

「女子サッカープレーヤーはアイドルではなくアスリート選手である」というメッセージが注目を集めました。

小嶋さんは、女子サッカー選手のプレーに対する知見があり、とても参考になるnoteを書いてくださるアナリストです。上のツイートでは「アイドル」という単語に目がいってしまうのですが、実際のnoteは本文を読むとプレー分析するための動画素材の話が中心になっています。女子サッカー選手や関係者からは本文に対するレスポンスがついています。

日本の女子サッカーに必要なのは情報量だと思います。

とにかく、今は女子サッカーに関する発信が少ないです。小嶋さんが書かれたようにプレーを分析するための動画素材もごくわずかしか公開されていません。FIFA女子ワールドカップ2019フランス大会では、従来から発信される情報量がわずかだったがゆえに、ファンやメディアがなでしこジャパンやなでしこリーグに関する情報を把握しておらず、高倉監督(なでしこジャパン)の選手選考に対して、曖昧な根拠をベースに感情に偏った批判が数多く行われました。

原因の一つは強化に偏りすぎた、なでしこジャパンのマッチメイク。

日本の女子サッカーマーケットは縮小してしまい、今や、女子サッカーの技術や戦術を解説するメディアは、ほぼ無いと言って良い状態です。その原因の一つに、なでしこジャパンのマッチメイクがあると、私は思っています。

Talen Energy Stadium
Nissan Stadium
Raymond James Stadium
スタッド・アッベ・デシャン
ベンテラー・アレーナ
Stade Gerard Houllier
IAIスタジアム日本平
北九州スタジアム
Busan Asiad Main Stadium
Busan Gudeok Stadium
Busan Gudeok Stadium

書き出したのは2019年になでしこジャパンが行った国際試合の開催地です(女子W杯を除く)。続いて2018年になでしこジャパンが行った国際試合の開催地です。

Estadio Municipal da Bela Vista
Estadio Municipal da Bela Vista
Estadio Algarve
Parchal
トランスコスモススタジアム長崎
King Abdullah II Stadium
Amman International Stadium
Amman International Stadium
King Abdullah II Stadium
Amman International Stadium
Westpac Stadium
Children's Mercy Park
Pratt & Whitney Stadium
Toyota Park
BUMI SRIWIJAYA
GELORA SRIWIJAYA,Jakabaring
GELORA SRIWIJAYA,Jakabaring
GELORA SRIWIJAYA,Jakabaring
GELORA SRIWIJAYA,Jakabaring
鳥取市営サッカー場 バードスタジアム

この2年間、日本国内のスタジアムで開催された試合は、わずかに4試合しかありません。その4試合も九州で2試合、鳥取で1試合、清水で1試合。人口の多い首都圏、関西圏での開催はありません。ちなみに2017年はEAFF E-1 サッカー選手権がフクダ電子アリーナで開催されましたが、その3試合を除くと熊本、長野で各1試合、2016年は日本国内では1試合も行われていません。

女子サッカーが忘れ去れらた4年間。

人口の多い首都圏や関西圏で試合を行うことで得られることは何でしょう。
●試合開催予告等で多くの人と女子サッカーが接点を持つ機会を得られます。
●大きな会場で多くの人に女子サッカーを見ていただけます。
●交通費等の負担が少ないので多くのジャーナリストが取材に訪れます。
その結果、メディアで女子サッカーが大きく扱われ、街で女子サッカーが話題になりやすくなります。

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女子サッカーを追いかけるジャーナリストは絶滅危惧種に。

2008年の北京五輪から2012年のロンドン五輪まで、多くのサッカージャーナリストが女子サッカーの取材に訪れ、女子サッカーは盛んにメディアで報じられていました。小さいながらも女子サッカーを軸に報じるメディアもありました。ところが、日本国内での試合がほとんど行われなくなり、交通費と時間を自費で投じて取材するサッカージャーナリストはごく少数になってしまいました。私は、定期的に女子サッカーの記事を発信されているサッカージャーナリストを3名くらいしか思い起こすことができません。

情報量を増やすためには首都圏、関西圏での国際試合が必要。しかし開催できない2020年も女子サッカー不足は続く。

男子の場合は「興行として親善試合ばかりをやって日本代表の強化に結びついていない」という批判をファン・サポーターから受けることがあります。女子の場合は、全く逆の現象が起きているといえます。今年は、MS&ADカップ2020(仙台、京都)、さらに栃木での試合も中止になりました(京都と栃木は新スタジアムのお披露目試合)。年内に国際試合を再開するのは困難な状況です。WEリーグの立ち上げはニュースになったものの、女子サッカーが話題になることは少ない一年になるかもしれません(FIFA女子ワールドカップ日本開催が決まれば良いのですが)。国際試合再開の折には、ぜひ、首都圏、関西圏での積極的な国際試合開催を復活させてほしいものです。それが、巡り巡って強化につながると思います。

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「WE Love 女子サッカー」で女子サッカーに関する情報を発信していきます。

国際試合が開催されないため、女子サッカーが社会の関心事になるには高いハードルがあるかもしれません。それでも、女子サッカーメディアが壊滅的な今、何か少しでも発信をと思い、過去のnoteから女子サッカー関連の記載を抜き出し「WE Love 女子サッカー」にまとめました。女子プロサッカーリーグ「WEリーグ」の開幕を控え、日本の女子サッカーの魅力を探っていくマガジンです。今後も発信していきます。ご期待ください。

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