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サッカーが渋谷駅前スクランブル交差点を変えた。 日本のサポーター論の入口

日本代表がコロンビア代表に勝利試合。渋谷駅前スクランブル交差点でハイタッチする若者を中心に大きな賑わいとなった。「渋谷に行けば楽しいことがありそう」「渋谷は盛り上がっている」もはや、渋谷駅前スクランブル交差点は、人が通行する道路ではなくなっている。どこからともなく試合後には賑わいが増し、交差点でありながらも、身動きが難しいほど人が滞留する大きな広場のようになっている。ワールドカップといえば「渋谷駅前スクランブル交差点」の盛り上がりは欠かせなくなった。

渋谷で、このような騒ぎが生まれるようになったのはFIFAワールドカップ2002日韓大会から。日本代表が躍進し、テレビ観戦した人が一体感を求めてスクランブル広場に殺到した。信号が変わると、見ず知らずの人とハイタッチをして交差点を渡った。

最近では、警察の準備も万端。見事な誘導を見せ、けが人が出るような騒ぎに至らず、日本代表の試合後の風物詩となっている。

欧州を旅すると、各所に広場があることに気がつく。ただ空間があるわけではなく、広場は地域のコミュニティの場となっている。

欧州の広場は市民生活の機能から生まれている。

市場広場 朝市、マルシェなど経済活動の場
教会広場 協会など信仰の場
集会広場 市役所、議会場など政治の場

日本には上記のような広場が少なく「何かあれば市民が集まれる」という場所が極端に少ない。ところが、2002年にハイタッチ騒ぎが始まった。この楽しさに多くの人が感動した。

渋谷駅前スクランブル交差点に広場としての機能があることが発見されたのだ。

ここから渋谷駅前スクランブル交差点は変わった。街に新しい役割が生まれた。交通規制をして人々が集まる場にすることを渋谷の街は選んだ。渋谷駅前スクランブル交差点は文化発信地としての渋谷の象徴的な場所になった。

人々は渋谷駅前スクランブル交差点で盆踊りを踊り、繋がるようになった。

いつしか、ファッションの買い物の場が旧市街地の百貨店やファッションビルから、駅ビル商業施設に移行したように、駅前のスクランブル交差点が、人の繋がりの場となった。

渋谷駅前スクランブル交差点は世界から注目されるようになった。

ハロウィンの渋谷には世界各国から人々が訪れる。ここに来れば楽しい体験を出来る、楽しい人と会える、渋谷駅前スクランブル交差点は、そんな場所になったのだ。

サッカーが街を変えたといえる。サッカーには、街を変える力がある。

「サポーター3年生からの日本のサポ論」はkindle端末がなくてもiPhoneやPCで読むことができます。



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石井和裕 @ece_malicia
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