見出し画像

EPILEPSY IS  DANCING      てんかんについて

イギリスの「ANTONY AND THE JOHNSONS」のアルバム
「THE  CRYING  LIGHT」には10曲が収められている。
ジャケットは、日本の舞踏家、大野一雄さんのモノクロ写真だ。
103歳で亡くなった大野一雄さんがいかに、世界的な舞踏家だったか。
海外のアーティストの間では、国内より有名だった。
100歳を超えても車いすで舞台に立ち続け、最後には、指だけで踊っていたという逸話もある。
「THE CRYING LIGHT」は大野一雄さんに捧げられた作品である。

このアルバムには
「EPIREPSY IS DANCING」という曲が入っている。
直訳すれば「てんかんはダンスだ」となる。
ヴォーカルのアノーニの声は、泣いているような、震えているような、湿った不思議な声である。

だいたい、「てんかん」という言葉が入っている楽曲というものを、今まで聞いたことがなかったので、少し驚いた。
歌詞の意味は、よく理解できない。理解しないでいいのだと思う。
理解できない世界を描いているのだろう。
PVを見たが、てんかんの発作を起こした女性の体から花や蝶が飛び立ち幻覚の世界が描かれる。

「てんかん」はよくある病気だが、誤解されやすい病気である。
偏見が持たれやすいから、カミングアウトしている人は少ない。
私の長女は、服薬で発作はコントロールされ、今はてんかんの発作は起きていない。

すこし前の話だが、母親の病名を言いたがらない女性がいた。
話しを聞いていくとどうやら、てんかんらしいと思った。
でも彼女は、てんかんに関して誤解しているようなところが感じられた。
それで、私は自分の娘の話をした。
てんかん専門のクリニックに通い、しっかり検査して、薬を合わせたので、発作は起きていないということを。
すると彼女はびっくりして、
「専門の病院があるんですか。恥ずかしい病気だから、誰にも言えないで、親子で苦しんできました。怖い病気じゃないんですね。」と言った。
こんなに情報が発達し、医療が発達してきても、「怖い病気」「恥ずかしい病気」「人に言えない病気」と思い込んで、隠し続けている人もいる。

偏見や差別は、正しい知識の不足、理解の不足からくる。
それは案外、本人や家族自身が、恐怖感から、正しい知識を知ろうとしないということもあるかもしれない。
そして、当事者をやみくもに怖がらせているのは、世間にはびこる偏見という強い呪縛力かもしれない。
だから、てんかんをカミングアウトしている人たちのことを知ってもらおう。

井筒親方(元関脇、豊ノ島)
ラガーマンの土佐誠選手。
元イングランド代表FWジェイ選手。
映画監督の和島香太郎さん。
そして、なんと言っても、我が家の長女。
ドストエフスキーさん、ありがとう。
発作が起きそうな様子をしっかり書いてくださった。

ほかにもたくさんいます。




よろしければ、サポートお願いします。老障介護の活動費、障害学の研究費に使わせていただきます。