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ぼくを探しに

「ぼくを探しに」 シルヴァン・ショメ監督 2013年
 ベルヴァル・ランデビューなどのアニメーション監督の初の実写映画

何とも不思議な映画なのです。
何が不思議かっていうと、ある日、アパルトマンの階段の途中の壁にドアを見つけるんです。
階段の途中になんて、普通ドアはありません。
階段上がったところに部屋があるんです。
そのどうにも半端な位置にあるドアを開けると、そこがまた不思議なマダムの不思議なお部屋。

しかし、よく考えると危ないですよね。
階段の途中のドア。
部屋の出入りで転んだら、階段真っ逆さまに落っこちそうです。

部屋の壁もカーテンも家具もカラフルで、それよりもなにも、室内には植物がいっぱい。
緑の空間が広がっているのです。
33歳のピアニストのポールは、その部屋のマダムに、特製ハーブティーをふるまわれます。
そのハーブティーをのむと、ポールは夢を見始めます。

実はポールは、子どものころ、やさしいママ、プロレスラーのパパが死んだショックで、言葉が話せなくなったのでした。
両親の死後、阿佐ヶ谷姉妹みたいな二人の伯母さんに、過保護に育てられ、伯母さんのダンス教室でピアノを弾いて暮らしていました。
だけど、両親が死んだときの記憶がないのです。

でも、マダムのハーブティーを飲むこと数回。
マダムを訪ねること数回。
両親の記憶を取り戻します。
その記憶は、今まで思っていたのとは違うものでした。

毎年出場しているピアノコンテスト。
年齢制限があるので今年が最後のチャンスです。

なんとも、幼さの残るポールが、自分を探すために、不思議なマダムの世界に入って行く。
阿佐ヶ谷姉妹のおばさんも、不思議マダムも、おしゃれな色調でユニークなお洋服。
嫌いじゃないわ。この世界。
私もマダムになりたいわ。
オリジナルハーブティーごちそうしたいわ。
部屋の中、花と緑で植物園の温室みたいにしてみたいわ。

マダムのお部屋でハーブティー
アパルトマンの部屋の中
思い出しているところ


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