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新しい知見が日々出てきますね。喘息持ちのお子様がいる家庭はとても気になっていることではないでしょうか。こういったデータを解析できるのもビックデータやレジストリと呼ばれる成果なのだと思います。素晴らしいですね。

内容を見てみますと、査読前のオンラインアーカイブおよびWHOのCOVID-19データベースを含む2020年5月26日までに発表されたCOVID-19と喘息に関する研究をレビューし、58万7,280例を含む57件を特定した。SARS-CoV-2陽性者は34万9,592例。

内訳は、医療機関の研究が45件、コミュニティサンプルが6件、混合型が6件。地域は北米が22件、アジア19件、欧州14件、南米2件だった。子どもの研究は少なく、4件の211例にとどまった。

平均年齢は約52歳(男性52.5%)
喫煙中11.75%、喫煙者歴あり16.2%
54%が併存疾患あり( 21%が糖尿病,8%がCOPD

結果

49件の研究を分析した結果、COVID-19患者における喘息の有病率は7.46%(95%CI 6.25〜8.67、P<0.001)
COVID-19における喘息の重症度を検討した6件(3,313例)の研究では、重症より重症でない喘息のCOVID-19患者が多かった(4.13% vs. 9.61%)。
喘息の有無でCOVID-19発症リスクを比較した結果(6件、36万9,405例)、喘息あり群で14%リスクが低かった〔リスク比(RR) 0.86、95%CI 0.80〜0.94、P<0.0001〕。

COVID-19による入院リスクは喘息あり群で13%低いという結果(4件、12万1,127例)が得られた(RR 0.87、95%CI 0.77〜0.99、P=0.03)。
喘息の有無でCOVID-19によるICUへの入室リスクを比較した結果(6件、4,325例)、喘息の有無による有意差は認められなかった(RR 1.19、95%CI 0.93~1.53、P=0.16)。
人工呼吸管理を要するCOVID-19の重症化リスクを検討した結果(6件、4万7,245例)、喘息の有無による有意差は認められなかった(RR 1.16、95%CI 0.83~1.63、P=0.39)。
COVID-19によるICUへの入室あるいは人工呼吸管理を要するリスクのどちらか一方、またはその両方を検討した結果(12件、5万2,172例)、喘息の有無による有意差は認められなかった(RR 1.13、95%CI 0.94〜1.37、P=0.19)。
COVID-19の死亡リスクを検討した結果(9件、7,820例)、喘息の有無による有意差は認められなかった(RR 0.87、95%CI 0.68〜1.10、P=0.25)。


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