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COVID-19とウクライナ侵攻に負けない!ECサイトの販売戦略

2023年春以降の消費動向予測

ECサイトを運営していると、思わぬ社会情勢の変化に振り回されることになりますよね。
我々のように様々な業種のEC支援をしていると、その変化に上手く乗っていけるショップと、変化に押し潰されてしまうショップを見ることになります。

たとえば、ここ数年は「新型コロナウイルスの大流行」という思いもよらない大変化に振り回されました。

ここで生まれた「在宅需要」に上手く乗れたショップもあれば、「外出規制」に押し潰されたショップもありました。
これらは表裏一体の出来事でした。

未来に何が起こるのかは誰にも分かりませんが、いち早く変化の兆候を見越して、消費者の心理予測をしておくことはビジネスにおいてとても大事なことです。

ということで、2023年春以降にはどのような需要が伸びそうかを業界内の肌感と勝手な個人的見解をまじえて、予想してみました!


キーワードは「外出」と「節約」

これからしばらくは、この2つのキーワードが大きな方向性になると予測しています。

コロナの扱いも5類に変更されると、いよいよウィズコロナモードからアフターコロナモードに移行していくことになるのでしょう。
そうすると、今まで「在宅需要」だったものが「外出需要」に変わります。これはポジティブ要因と言えるでしょう。

一方でネガティブ要因の変化として、ロシアによるウクライナ侵攻や円安の影響を受けてのエネルギー・物価高騰があります。物価高により、買い控えや節約志向が強まるでしょう。

2023年春以降は、この2つのポジティブ要因とネガティブ要因が織り混ざった「綱引き状態の消費者心理」であることが予想されます。

「アフターコロナでリベンジ消費だー!」
と、単純には捉えることができないので、商品開発や販売戦略などを行う際にはひと工夫の”ひねり”が必要になってくるでしょう。


外出する機会が増えたら、ECショップの販売戦略はどう変わる?

リモートワークを推奨していた企業たちも、徐々に出社準備を整えているようです。
長い間、自宅にこもりがちだった消費者たちは、外出する機会が増えることで、商品やサービスに新しい価値観を求めるようになるでしょう。

特に、ファッションや美容、エンターテインメントなど、外出に関連するカテゴリーに注目が集まることが真っ先に予想されます。

また、旅行やレジャー、グルメや飲食店など、体験型の消費に関連する商品やサービスの需要が高まることが予想されます。

一方、外出の機会が増えると、人々はリアル店舗で頻繁に買い物されるようになりますので、ECサイトにおいては逆風となる場合もあります。
たとえECオンリーのブランドであったとしても、リアルの体験と繋がる広告や販売チャネルを意識すると良いかもしれません。

ネットショップ運営者さんたちは、こういった消費者の興味関心をキャッチし、新しいニーズに対応することが求められます。


ウクライナ侵攻による影響と対策

ロシアによるウクライナ侵攻によるエネルギー高・円安の影響による物価高騰により、消費者の節約意識が高まり、贅沢品や嗜好品は買い控えられ、日用の必需品や値段の抑えられた商品に注目する傾向があるでしょう。

しかしながら、買い控えという傾向がある一方で、節約に繋がる商品やお得に安く買える機会があれば、ユーザーの購入意欲は一気に高まるかもしれません。

この点、ECサイトは店舗や店員さんが不要なぶん、コストカットを行いやすく低価格商品を販売しやすい。という点では、大量仕入れが可能なショップや楽天Amazon に出品しているショップは追い風として捉えることもできそうです。
ジェネリック的なプライベートブランドの商品開発などには良い機会になるかもしれません。

広告を出す時にも、節約意識が高まることを意識したキーワード選定をしてみたり、
低価格帯の製品やセールの機会を狙ってアピールするような広告戦略ができれば、デメリットをメリットに変えることができそうです。


新商品開発で勝負!気になるカテゴリーはどこ?

これらの要因を考慮すると、以下のような商品開発が需要に合うと予想されます。

  1. ファッション用品:自宅で過ごす時間が減り、外出する機会が増えたるため、ファッション需要は明らかに高まると予想されます。

  2. 美容グッズ:人に会う機会が増えるとともにマスクの着用も解除されます。そのため、化粧品やヘアケアなどの美容需要が高まると予想されます。

  3. トラベル用品:コロナによる規制解除後、人々が旅行や移動を再開することが予想されます。そのため、トラベル用品の需要が高まると予想されます。例えば、スーツケース、トラベルアクセサリー、トラベルウェアなどがあります。

  4. オフィスグッズ:リモートワークが解除され出社の機会が増えると予想されます。デスクまわりを快適にするUSB関連グッズや、お弁当グッズ、外出先から自宅を管理できるIoT製品なども好まれるでしょう。これまで自宅で使っていたお気に入り仕事グッズを会社でも使いたいという追加買い需要も高まるかもしれません。

  5. アウトドア用品:コロナを機に需要が高まったキャンプグッズやレジャーグッズなどのアウトドア用品ですが、外出したいという欲求と物価高による節約意識とを両方満たすことができる娯楽であるため、これからもまだまだ見逃せないジャンルです。

  6. 健康・フィットネス用品:上記と同様、今でも需要のあるジャンルですが、在宅ワークなどで自宅にこもりがちで運動不足が気になっている人が潜在的に増えているでしょう。これから季節も暖かくなり新学期や新生活に伴って、外出先のヨガやジムに通いだす人が増えると予想されます。在宅フィットネスだけでなく、外出用のフィットネスウェアやスマートウォッチなどの需要が見込まれます。

  7. イベント関連グッズ:今後どこまで規制緩和されるか次第ですが、音楽ライブやスポーツ観戦や運動会など、人が集まるイベントの緊急中止懸念が少なくなり、ワクチン接種証明も緩和されると予想されます。これまで気持ち的に前向きでなかった人も参加意欲が高まることから、応援グッズや双眼鏡やカメラなどの需要も増していくと予想されます。また、海水浴・花火・ハロウィンなどの季節ものグッズも昨年よりは需要が高まるでしょう。

  8. 省エネグッズ:今後もエネルギー高・物価高騰が予想されるため、省エネグッズの需要が高まると予想されます。例えば、LED電球や省エネ冷蔵庫への買い替え、ソーラーパネル関連や低燃費カーなど大きな買い物であっても、ニーズにさえ合っていれば購入意欲は高まるでしょう。また、異常気象の影響で気温差も激しいため、省エネを兼ねて1人用のポータブル冷暖房グッズなども非常に好まれると予測されます。

他にもまだまだ、「外出」「節約」によって需要が増えるジャンルはたくさんあるかと思われます。
(もし他にも思いついたらコメント欄にアイデアを書いてみて下さい)
これからのニーズに合わせた商品開発や広告施策を行うことで上手く需要の波に乗り、売上増加につなげましょう。


言い回しを変えるだけで、需要が増える!

とはいえ、商品開発なんて簡単にはすぐに対応できませんよね。そもそも自分たちの商品特性に合っていない場合もあります。

そんな時には「言い回し」を変えてみましょう。
そうすると、いままでにはなかった需要や新しいユーザー層を獲得できることがあります。

たとえば、これまで在宅ワークグッズを作っていたとしたら、いきなり方針転換になってしまいますよね。
その場合、以下のように言い回しを変えてみるという手があります。

「オフィスでもお気に入りの仕事道具を。」

こうすると、商品は同じでも在宅需要から外出需要に切り替えることができます。


また、在宅需要の際には趣味で料理を始めたり、こだわりの食器を買ったりした人も多いかと思います。
これらの在宅需要の商品をそのまま、外出需要に置き換えてみると・・・

「いよいよホームパーティーができますね。おもてなしできる食器はこちら」

こんな広告が打てそうです。


物価高騰対策にも、

「必需品を、まとめ買いでお得に。」

と言うことで、普段よりも大量購入してもらえるかもしれません。


こんなふうに、商品やサービスというのは「どこにスポットライトを当てるのか」でコンセプトやターゲット層を変えたり、別の需要を掘り起こすことができます。

これを僕は「言い回し」と呼んでいます。

時代は常に変化するもの。時代に合った「言い回し」をしていることが、いつも売れ続けているショップさんの特徴であり秘訣なのです。


仕入れ値の高騰にも早めに対策を

ロシアのウクライナ侵攻によって、急激にエネルギーや物価が高騰してしまいました。

ECショップにとっても、仕入れ値が高騰することで利益率が下がったり価格競争力が低下する恐れがあります。これはかなり痛手になるはずです。

そのため、自社製品の開発や他社製品の選定によって、原材料のコストダウンを計ることも重要になってきます。また、倉庫や梱包や配送方法などの見直しを行い、物流費を抑えることも重要になってくるかもしれません。

値上げが悪いことだとは思いませんが、この機会に生産コストを見直したり、プロモーションや広告費をシビアに効果測定してターゲティングを行い見直しをかけることで、価格競争力で優位に立てたり、利益体質に繋がっていくかもしれません。

その上で、これからのニーズを捉えた商品開発や販売促進施策を展開することができれば、ピンチをチャンスに変えることができるでしょう。


その他の注目ジャンル

上記の他に、まだまだ大きなうねりとは言えませんが、個人的に気になっているニーズもせっかくですのでお伝えしておきたいと思います。

このところ戦争リスクが高まっていると言われています。また、日本では天災リスクが常にあり、南海トラフ巨大地震も近い将来起こるだろうと言われています。

コロナの時にも感じましたが、予期せぬ事態があると生活用品が不足することが予想されますので、備蓄や防災グッズ関連はじわじわとニーズが高まっていくことが予想されます。

防災意識を高めるためにも、ショップ側からストックを進めるような呼びかけをしても良いかもしれませんね。

また、最近のニュースを見ていると、これから日本の治安が悪くなっていくのでは?という懸念も感じてしまいますよね。
そのため、防犯カメラやカーセキュリティ・護身用品など、防犯グッズの需要も急速に高まってくるのかもしれません。
特に、介護やペットの見守りも兼ねることができるようなIoT製品はますます注目です。


まとめ

以上、今回は2023年春以降にどのような需要が伸びそうかを業界内の肌感と勝手な個人的見解をまじえて、予測してみました。

何が起こるかわからない変化の激しいこの時代、未来の正解を導き出すのは非常に難しいものですが、少し先の方向性や流れは意識しておいて損はないかと思います。

みなさんのショップ内でも販売戦略のアイデア出しをしてみたり、準備を始めるきっかけにして頂けると幸いです。

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