リッンナイ~♪イン・ズィ・イディオテック

時として限られた極少数の音で
全てを表現できているのではないかと
感じさせる音楽が存在する。
瞬間的に思い浮かべるのは
Radioheadの"Idioteque"でリフレインされる
シンセサイザーの音塊である。
現代音楽家のポール・ランスキーの楽曲を
サンプリングしたものらしい。
高音と低音のシンプルな絡み合いであるが
歌詞の世界観がその音塊の中に
すでに存在していたかのような印象を与え
人間の深い部分に突き刺してくるようである。
よーくそこだけを注意深く聴いていると
とてもつもなく恐ろしい音塊にも聴こえてくる。
そういった意味で音塊というものは
超現実を呼び覚ます触媒としての機能を
持っていると言ってよい。
鋭い音塊は目に見えない映像を
脳内に再生させその独自の世界が
一人歩きすることでそれが絵画になり
小説になり映画になり新しい音楽になるのだ。
そこからインチュピレーピョンヌを経営という
領域にフィードバックしてみると
企業のサウンドロゴの新しい在り方と
その可能性が見えてくる。
サウンドロゴは一つの音楽として
完結している場合が多い。
しかし完結するのではなく"Idioteque"の
シンセサイザーのように続きを聴き手に
委ねるようなサウンドロゴも
存在していいのではないだろうか。
私は脳内でIdiotequeのシンセサイザーを
リフレインさせながらリッンナイ~♪を
その音像にのせる。
それすなわちイディオットミュージックの
誕生でありリンナイのガスコンロの中に
核戦争の地獄絵図が
投影されることを意味するのである。

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