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ペルソナとマーケティング力

マーケティングをやる人なら必ず通る道。架空のユーザー像「ペルソナ」。人間観察が趣味なので息をするようにペルソナはイメージしています。

ユーミンがドーナツ屋で隣のカップルの話をさりげなく聞いてそれをヒントにして歌詞を作るように、私の場合は街を歩く人、カフェで電車で色々な人を観察しています。仕事柄ドラッグストアとスーパーにいる人の篭の中などは相当みています。定点観察であることが大切。そこはスタッフの方とも会話します。あとはクリニック。定期的に行くのでどんな病気が増えているのかもそこにいるだけでわかります

皆さんも暮らしのなかのペルソナ。探してみてくださいね。ヒトに興味がない人はなかなかいいマーケターにはなれません。イメージした人が、頭のなかで動いたり話したり、買い物する姿が浮かぶように日々の会話や情報に敏感になってください。

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Aさん33歳男性。郊外持ち家。子ども2人

今の会社は3社目。最初に入った会社が不動産関係。そこで自社開発だから相場よりは安いからと勧められて26歳のときに無理して買った千葉県の戸建てのローンに追われている。子育てにはいいかもしれないが駅から遠い。今は月8万の返済がなんか重たい。完済は60歳。定年に終わるよ言われたがそこまで自分の気持ちがもたない。

加えて奨学金返済も月3万円。昔の奨学金は返済しなくていいものもあったらしいが今は違う。長いと30年くらいで返済する人もいるよう。住宅ローンみたいな長さで学生時代の4年間の借金を返済する。家庭をもちつつ50歳まで返済するのは正直キツイ。返済が月に11万。33歳からもう既に息切れ気味だ。

2回転職した。転職理由はやりがいではなく収入と休みよるところが大きい。2人目ができたときに、給与の提示額の良いところでないとダメだと思いベンチャーに転職。加えて不動産会社は土日休めない。将来子どもの行事に一緒に出てほしいという妻の要望により土日休みの業界に変えた。

大手企業からベンチャーの転職はカルチャーの違いに戸惑ってしまうことが多い。ベンチャーには2種類ある。新規事業や新サービスを立ち上げて世の中を動かす会社。もう一つはIPOを目指して盛り上げて競争させて新規を獲得して数字を作る営業会社。明かに後者だった。

美容系と外食系が主なターゲット。特に外食系の広告は厳しい。好調なパン業界にシフトをはじめた。デジタル広告会社から独立した30前のトップは「成長」「目標達成」をいつも口にする。

SNS広告特に動画関連は今後伸びるからと思って転職したが利益率と同業他社との差別化が難しい。運用などは売っても売っても人件費と制作費で赤字になってしまうことある、

営業会社だから新規獲得件数と金額がインセンティブになりボーナスに反映される。前年よりも収入が下がることがある。チームには新卒2年目までの4人の若いスタッフがいる。コロナ入社の彼らとのコミニュケーションはもっぱらチームスのチャット。

チームスの文面でどこまで伝わっているのかが疑問。今の若いスタッフはリモートなので直接誰かと競争したりという感覚が希薄らしい。これも時代なので仕方がないが数字がいかないと全員のボーナスに響いてくると言ってもあまりピンと来ないらしい。

会社はリモートを推奨しているが自分はオンライン会議が多いからむしろ出勤をしている。小さなテラスハウスで乳児の鳴き声や子供の遊ぶ声をバックに営業トークをしたりするのが難しい。妻にあまり部下の指導とか営業トークとかは聞かれたくないから大手町まで出勤している。

月の小遣いは4万円。結婚とともにタバコもやめて飲み会も減ったが実際はとても毎日やりくりが厳しい。今はキャッシュレス決済もあるのでいくら遣ったかの感覚が薄くなるから気をつけるようにしている。

学生時代から付き合っていた同郷の妻と交際10年目の28歳のときに入籍。披露宴はしていないが沖縄で二人だけで写真を撮った。結婚当初はITバブル的なものが残っていて世の中は今よりも遥かに穏やかだった。今はコロナや世界情勢の不安定さ。将来が不安になる。

毎日の楽しみは早めに帰宅して、まだ日のあるうちに子どもをお風呂に入れること。そして子どもが寝てから夫婦で映画をみること。最近はAmazonプライムの無料映画はほとんど見終わったので1話完結の海外ドラマにハマっている。妻も誰とも話さずに1日子どもと対峙しているからストレスが溜まると思う。

妻には保育園を探してパートでいいから外に出てほしい。気分転換になるしたまには外食もしてほしい。駅から遠くて周りにコンビニもないような静かな住宅街に子どもとずっといると孤独になってしまう。車がないので移動はもっぱら電動付き自転車。雨の日には困ると妻は言う。

光熱費など値上がりが目立つ。妻は買い過ぎないようにもっぱら生協をメインに活用しているらしい。スーパーやドラッグストアに行くと上の子どものあれ買ってには負けしまうという。 騒がれると面倒になりついつい篭に入れてしまうとか。

衣服や食器、雑貨などは以前よりはるかに安くなっている。ユニクロのスーツ。ABCマートのスニーカーで通勤ができるのは有難い。服や下着は家族の分まとめてボーナスで買うようにしている。

法事が重なり奨学金の支払いを数回飛ばしてしまってから頻繁に電話が来るようになった。加えてチームの売上が悪いので年末のボーナスとインセンティブが期待できない。出資先も売り上げが下がっているので手を引いると噂で聞いた。

そんなことを気にしていたら最近ドンドンと気持ちが落ち込んできた。コロナに罹患して数日仕事を休んでからはメンタルの不調が常態化している。毎日泥のような疲労感と背中のコリそして長引く下痢に悩んでいる。産業医のカウンセリングも受けた。

産業医は休職も視野に入れたほうがよいかもと言っていたが、収入がほぼ半減してしまうと暮らしがたちゆかない。最近同僚に勧められて飲んだサプリメントが意外によい。少し高いが仕事ができなくなるよりはいいから続けようと言う。

心配なのは経済的なこと。西日本でトラックドライバー向の国道沿いの小さな定食屋を営む田舎の両親に経済的には頼れない。大学に行かせるのも苦労したと思う。

まずは住宅ローンが問題だ。お陰様で住宅価格が高騰しているらしい。今の家を手放して家族四人で身軽になってみるのもいいかもしれないと思っている。

夫婦の携帯も基本料ゼロのものに変える予定。画質が綺麗で動画撮影と編集がしやすいiPhoneの新型に買い替えて子どもたちを撮影したいがなかなか難しいかもしれない。

働き方と生き方をいつも悩んでいるのは自分だけじゃないのかもしれない。自分の悩みは仕事の悩みなのかお金の悩みなのかはもうわからない。多分生きる悩みなんだと思う。

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今の30代にはいろいろと悩みと夢があります。そして買うべきものと絶対買わないものがあります。昔と違って何でも買う時代は終わりました。精査しながらお金を遣い、仕事を選ぶ時代です。これが30代の家庭をもっている方のリアルかもしれません。

そこでニーズや嗜好を探っていきたいと考えています。みなさんも箇条書きでいいので今の仕事の架空のペルソナを書いてみてください。BtoBでも同様にできます。公共機関にもあります。ペルソナを作る場合は起きてから寝るまでの行動だけでなく気持ちをいれてください。このトレーニングは必ず仕事に役に立ちますよ







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