50代から考える老後資金(5)自己資金1

老後資金問題は不安がっていても何も解決しない。溢れる真偽不明の情報はひとつひとつ検証しながら次の5つのポイントに落とし込む事で自分なりに整理が出来た。あとは各々にシンプルな戦略・目標を立て、そこに向かって実行あるのみだ。

① 公的資金(年金)
② 自分の努力で貯める資金(貯金と投資)
③ 生活費
④ 医療費
⑤ 末期(死と死に匹敵する事態でのコスト)

75歳まで年金に手を付けずに生きる事が出来れば仮にその先仕事が出来ない体になってしまったり、実質全く仕事を与えて貰えない状態に陥ってしまっても健康で文化的な最低限度の生活が送れ、清潔な布団の上でそれなりに緩和ケアをして貰いながら尊厳ある死を迎える事が出来位の年金が貰える事は分かった。が、それでも何が起こるか分からないのが人生だし、出来る事ならそんなぎりぎりの老後ではなく優雅な老後を過ごしたい。その為には公的資金だけではなく、自己資金も充実させる必要がある。

75歳まで年金に手をつけずに生きる為にはあと20年もある。③の生活費をどう見るかによるが、仮に東京で小さなアパートを借りて生活した場合、最低でも月20万円は必要だろう。 今、現金で手元に 20万円 x 12ヶ月 x 20年=4,800万円あればとりあえず安心出来るが残念ながらそこまでの貯金は今の私にはない。ではどうするか? 働いて収入を得るしか方法がない。

失業中の身でこんな事を言っても説得力ないかもしれないが、考え方をちょっと変えると気は楽になる。「安心老後」に必要な貯金額は55歳の今日現在は4,800万だが、来年は4,560万円、再来年は4,320万円、、、と毎年240万円ずつ減っていく。今日を生き抜き、今月を生き抜き、今年を生き抜いていけば良いだけだ。そしてこの必要額以上の金額が銀行の預金残高に記された日が私が安心して引退宣言を出せる日となる。

専門家が書いた本ではいきなり投資がどうのポートフォリオがどうのから始まって、株か投資信託か、持ち家か賃貸か、副業はした方がよいか、、、という話になっていくが、今日を生き抜く為に一番大事な「資産」は家族(特に実家)と真の友達だと思う。今の私の様に失業して収入が一切無くなったとしても、例えば1年間だけでも居候させてくれる親、兄弟、配偶者、子供、友達がいれば、1年は生き抜く事が出来る。勿論、失業中の中年オヤジが居候として招かれる為にはそれなりの信用が無くてはならず、私はこれまでの自分の人生でこの信用を築いてきたと自負している。私をサポートしてくれる家族や友人は皆、私が能力的にも精神的にもこのまま失業し続けない事も、彼らに甘えきってダメになって行かない事も、逆の立場だったら私も同じ事をするという事もよく判ってくれているのだ。今後も自分が投資する先のNo.1は自分自身。自分の価値を高めて信用力を上げ続ける事だ。

今日現在の私はある程度の蓄え(少なくともむこう2年間は無収入でも独立して生きていける現金)と失業保険が下りているので家族や友達の世話にはなっていない。コロナ禍で仕事が少ない中、再就職するには年齢的にも圧倒的に不利だが、焦ってはいない。むしろ次の20年を生きていける技や仕組みが作れる仕事をじっくり探してやろうと思っている。例えば今年の年末までに月手取りで20万円以上になる仕事が見つかれば、貰った額 - 20万円はすべてが老後の自己資金としてまずは貯金に回す。


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