50代から考える老後資金(8)自己資金4

75歳まで自己資金で食いつなぐ為の方法は実はふたつしかない。自分の力で働き、定期収入を得る事低リスク投資で資産運用する事だ。私は大きく分けて下記9項目の戦略で行くことに決めたが、今回は④~⑨でどう資産形成していくかの結論だ。

① 自分の能力を生かした仕事でサラリーを受け取る。
② 節税目的の会社設立
③ 会社の経営者になり役員報酬を受け取る
④ 普通預金
⑤ ポイント付きクレジットカードを作っておく
⑥ 売買益ではなく配当金目的の株式投資
⑦ NISAの活用(株式投資をする場合)
⑧ 変動金利型10年満期個人向け国債を買う
⑨ ETF(Exchange Traded Fundー上場投資信託)を買う

誰が言い出したかは不明だが、「Cash is King」という言葉がある。アメリカでAccountingの授業を取った時に教授が一番最初に言った言葉だったのでその後ずっと自分の脳みそに刻まれている。専門家はこぞって普通預金を否定するが、私は大好きだ。物価上昇や増税で将来価値が目減りするとしてもある程度信用がある通貨、例えば米ドルや円で現金を持っていれば予想を上回るえげつない目減りをする可能性は極めて低い。コロナ禍の現在の様な非常事態では尚更現金は強いし、景気後退で会社や不動産が安値で売りに出された時に買い取る力があるのは現金を持っている者だけだ。

実は私は過去2度も不動産投資で大失敗している。1度目はバブル期に投資目的で土地を買い、バブル崩壊後その価値は3分の1にまで落ち込んだ。今日現在も不良債権として(正確には全て払い終わっているので債権ではない)売れずに雑草にまみれている。2度目はアメリカで生活も軌道に乗った頃に重たいローンと引き換えに手に入れた家が2008年のリーマンショックでローンが払えなくなり最終的に差し押さえられてしまった。言うまでもなくこれらの経験はかなりのトラウマになっており、2008年、家具やその他の持ち物を大量に叩き売ったり、捨てたりした後のガランとした家の中で、日本に引き上げる為の引っ越し荷物をまとめながら「もう二度と不動産には手を出さない」と心に誓ったのだ。

投資も色々やった。儲かったものもあったし損したものもあったが全て均してみるとほぼBreak Evenだった。皮肉にも米国を去る時に解約し忘れた小額の株は今日現在の価値で3倍程度になっている。

資産価値はその時に現金化した場合の価値であり、今日1000万円の株なり土地なりも本当に現金化しなければならない時に暴落していれば結果大損こいて現金化する事になる。そして現金が必要になるような緊急事態は総じて諸々の資産価値は暴落しているものである。

そんな訳で今日現在の私のポートフォリオは現金9割、投資1割。ファイナンスのプロを自称する奴らからは馬鹿呼ばわりされるかもしれないが、これで良い。

投資資産の1割は今日現在、普通株をNISAめいっぱい買ってのこりを普通の現物投資にしている。株は全て配当金目的なので基本大企業ばかり。今の所株価も上昇しているが、仮に下降傾向の時でも年に2回、数千円の配当金と株主優待のプレゼントが貰えるのでマイナスになっている銘柄もそのまま塩漬けにしてある。今後多少の売買は行うと思うがこの路線は変えない。

⑧、⑨の国債と投資信託については現在勉強中だが、低リスク商品である事は間違いなさそうなので前向きに検討している。現金比率を一旦下げてこれら商品を買う事になると思うが、現金比率が8割を切る事は多分ない。

Cash is King は正確にはCash flow is Kingであり、資産として持っているCashの額よりもShort Termで流れてくる現金がどれだけあるかの方が大事である。仮に貯金が全資産の5割、いや3割程度になってしまっても、毎月定期的に確実に生活コストを上回る現金収入があれば、そちらの方が尊いものだと思う。極論すれば①~③で定期収入が確実に入り続ける仕組みが出来てしまえば資産としての現金など無くても良い。

家族や友人、自分の健康、自分の能力に投資する事で定期収入を得るシステムを作る事は9割の確率で可能だと思っている。

公的資金、自己資金で収入面が見えて来た所で次はコストを考える。(9)へ続く、、、


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?