50代から考える老後資金(7)自己資金3

公的資金である年金を75歳から受け取ると決め、それまでを自己資金でどうやって生きていくか、という戦略を専門家の意見を参考に自分向けにカスタマイズすると次の様になる。①~③は定期収入を得る術であり④~⑨は低リスク投資による資産形成だ。

① 自分の能力を生かした仕事でサラリーを受け取る。
② 節税目的の会社設立
③ 会社の経営者になり役員報酬を受け取る
④ 普通預金
⑤ ポイント付きクレジットカードを作っておく
⑥ 売買益ではなく配当金目的の株式投資
⑦ NISAの活用(株式投資をする場合)
⑧ 変動金利型10年満期個人向け国債を買う
⑨ ETF(Exchange Traded Fundー上場投資信託)を買う

何よりも手っ取り早いのは自分の体で稼ぐ事だ。その為に一番大事な事は健康である事にほかならない。健康でないと出来る仕事が限られるだけではなく医療費が嵩むのでコストを圧迫するというP&L(損益計算)にも直接甚大な被害が出る。遺伝的持病や不慮の事故による怪我を除けば健康管理こそが一番確実な資産形成法なのだ。運動して食べ物に気を付けてストレスを溜めなければかなり高い確率で目標は達成出来る。家族や友人には勿論、部下を持っていた時代、彼らにも何度もこの点を言い聞かしたが愚かにも不摂生が故に大病を患う者もいた。

体が丈夫なら年を取って一般企業が雇ってくれなくなっても、配送業務や倉庫業務、掃除や介護職、さらに工事現場の作業員など、バイトかもしれないが必ず何等か働き口はあると信じている。が、出来ればもう少し楽して高い収入を得たい。そこで次に大事な事は「自分の価値を高め続ける事」だ。自分の得意分野を勉強し続ける事、時代と共に移り変わる雇用ニーズに対応した能力を再教育する事。この両輪を廻しながら働く事が大事だ。

その上で、どこかの会社に正社員として雇って貰う。高給である必要はなく、むしろ「自分の価値を高め続ける事」が出来る仕事かどうかがポイントになる。仮にその会社で長く働けなかったとしてもそこで培ったものが次の職場で生かせれば仕事からあぶれる可能性は低くなる。

残念ながら自分の過去を振り返ってみても理不尽なかたちで会社を追われる場面はある。少し愚痴になるが、それが私の能力や在職中のパフォーマンスに起因するものではなく、極めてPoliticalでClosedな方法で排除されてしまうのだ。断言するがこのメンバーシップ型の同質な社員だけで形成しようとする体制を改めなければ日本の会社(日本人が主導して経営する会社)に未来は無い。

そこで必然的に独立を目指す事になるのだが、幸運にも今の時代はその為のインフラも整っており、それはこのコロナ社会で更に加速した。私は先ず「個人事業」の形態で屋号をつくり、税務署に届けをだして、銀行口座を作った。個人経営であればこれで準備完了。あとは儲けた分を青色申告できちんと納税するだけだ。ちなみにここまでで持ち出し費用はゼロ円。

次に、Crowd Works にアカウントを作ってみた。プロフィール詳細を入れて自分のページの完成度を上げて行けばAIが勝手に出来そうな仕事を一覧の形で表示してくれる。自分の能力で出来そうな仕事がどの位あるかを認識する事が出来るので都度戦略を調整する事ができる。やっても良さそうな仕事があればこの中から選んで応募するもよし、外部からスポットの注文が来るのを待つもよし。Indeedなどの求人サイトでも「派遣社員」「アルバイト」「パート」など非正規雇用の案件は沢山出ているのでその中から興味深いものがあればとりあえず応募してみる。かなり断られるが、いちいち気にせず探し続けるのだ。

こうして、今風にいえばGig Worker的な道を求職活動と並行して進めている。正社員枠で求人を出している会社も、面接まで進めたら正社員枠に拘っていない事を伝えて、非正規でも良いので雇って貰える様に努力する積りだ。(今の所1社も引っかかってないのでそれを伝える機会すら無いが(笑))独立性を担保に契約社員としてでも雇って貰えれば自分を高めてくれる仕事で収入源を一本確保した上で更に独立路線の仕事もコツコツとこなしていく。

③の「会社の経営者になり役員報酬を受け取る」というのは究極の目標でかなり難しいとは思うが、個人事業による副業 → 合同会社設立という流れのその先にあるのがこれだと思っている。この合同会社を大きくするだけではなく、同業他社と合併して役員になる、という手もあるしある程度お金を出資して同業他社を買い取ってそこの役員(社長)になる、という方法もある。大事な事はベクトルをここに向けて活動を始める事だ。

昔の人は「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言ったが今は違う。むしろ二兎くらい追っていないと75歳までは、仮に体が丈夫で能力があっても、働けない。働かせて貰えない可能性が高いのだ。


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