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恋は暗黒。 (MF文庫J) 著十文字青
【命を奪う程に普通から遠ざかる恋の中で、心は暗黒に染まりゆく】
十文字青×BUNBUN、伝説のタッグによる衝撃的新作、始動。
高良縊想星はどこにでもいる普通の高校生になりたかった。
好きで選んだわけではない「仕事」を隠して通う学校で、なぜかクラス一の美少女・白森明日美に告白されて付き合うことに。
舞い上がる想星だが、放課後や休日は「仕事」に追われてデートすらなかなかできず、すれ違う二人。
そんなある日、想星は「仕事場」で少し不思議な同級生・羊本くちなを目撃する。
実は、想星の「仕事」は暗殺者。どうして彼女がこんなところに――
絡み合う恋は甘くて苦く、せつなくて、なりたい「普通」は近くて遠い。
殺して命を奪う彼と、ふれただけで命を奪う彼女。ちょっぴりダークなラブコメ、開幕。
暗殺を生業とする少年が恋と仕事で葛藤する物語。
人を殺す程に命の残機は増えるが、死ぬ程に心のどこかが壊れていく。
想星は、何よりも普通を希ったが、彼のズレた感覚は致命的なまでに危うい。
そんな彼に好意を寄せた明日美に己の本性を誤魔化して、嘘で塗り固める。
当然、関係が長続きする筈も無く、孤独にうち震える想星を慰めるように同じ世界で生きるくちなと出逢う。
普通を願うなら仕事は辞めなければならない。
命を奪えば、残機は増えるかもしれないが、君の手を握る日常からは遠ざかる。
想星は、自分が生業とする仕事と、明日美との恋を天秤にかけて、酷く自己嫌悪して葛藤する。
大切な日常を犠牲にするほどに、この仕事に価値はあるのか?
幸福を掴もうと手を伸ばそうと、それは儚い幻想で掴んだところで跡形もなく消え去る。
自らの境遇を憎みながらも、自身の存在証明となる暗殺を通して、唯一無二の救いを見出していく。
彼女の幸せを望むなら、辞めるべき仕事。
しかし、簡単に辞めれない決意が、想星の心を暗黒に染めるのだ。
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