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映画感想文【バーフバリ/王の凱旋】


2017年 インド製作

<あらすじ>
蛮族カーラケーヤとの戦争に勝利してマヒシュマティ王国の王に指名されたアマレンドラ・バーフバリは、クンタラ王国の王女デーヴァセーナと恋に落ちる。しかし王位継承争いに敗れた従兄弟バラーラデーヴァは邪悪な策略で彼の王座を奪い、バーフバリだけでなく生まれたばかりの息子の命まで奪おうとする。25年後、自らが伝説の王バーフバリの息子であることを知った若者シヴドゥは、マヘンドラ・バーフバリとして暴君バラーラデーヴァに戦いを挑む。

映画.com

前作『バーフバリ 伝説誕生』の完結編。
いつか観たいと思いながら機会がなかったところ、再上映を見つけたのでこれ幸いと行ってみた。
行ってみたらめちゃくちゃ元気が出た。

作品は非業の王、アマレンドラ・バーフバリとその息子シヴドゥことマヘンドラ・バーフバリ、二代に渡る壮大な王国の物語である。
いやはや、壮大過ぎる。そりゃ1話では収まらん。

インド映画がすごいなと思ったのは『伝説誕生』を観てからである。
ミュージカル苦手人間なのだが、インド映画はなんというか実写版ディズニーとでも言おうか。『あり得ない度』がぶち切って、非現実なファンタジーなので、逆にミュージカルっぽくなくて観ていられるのだろうか。
実写版ディズニーでも観ているような気がする。

前作を観た時もどえらいなと思ったが、続編は更にぶっ飛んでてすごかった。あり得ないの連発、ファンタジーはファンタジーでもこんな肉体派のファンタジーは少ないのではなかろうか。
ちなみに魔法は全く出てこない。全て筋肉が解決する。

昨年で一番面白かった映画『RRR』と比べるとやはりCGは少し劣る。
というかそれから5、6年で格段にレベルが上がっている、と言ったほうが正確か。
多少粗がある、だからこそ大画面で観たほうが楽しい。

そして確かに『あり得ない』の連発なのだが、ストーリー自体は実に良くできたファンタジーである。
詳細をネタバレするのは勿体ないので控えるが、出てくるキャラクターが皆実に良かった。特に女性陣が素晴らしい。
主人公バーフバリ(父)の叔母にして養母、王国の国母であるシヴァガミ。そしてバーフバリの妻となるデーヴァセーナ。どちらも王族の女として強く賢く美しく、ヒマラヤ並に高いプライド。
それ故に招いてしまった悲劇があって、主人公の従兄弟であり終生のライバルによる卑劣で巧みな罠や、忠誠を誓った奴隷の葛藤など、どれも素晴らしく思わずストーリーに引き込まれる。
インドと言えば『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』の2大叙事詩であるが、その土台を思えば納得の重厚さだった。

2時間半以上の上映が終わり、劇場では拍手が起こった。
そんなん初めて。
でも分かる。
映画好きの友人にも勧めたが、残念ながら途中で挫折したという。つまりハマらない人は全然ハマらない。
自分の周囲を見渡しても、あまり勝率の高い賭けではないかもしれない。それでも今日も、私は勧める。
インド映画すごいよ。

梅雨時、不快指数急上昇の大阪。
そこだけ一足早い夏の熱気に包まれていたのだった。
ありがとうバーフバリ、ありがとうインド……!!


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