映画感想文【ゴッドファーザーPARTⅡ】
1974年 製作
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ
<あらすじ>
亡き父の跡を継ぎ、ファミリーのドンとなったマイケル。ネバダに居を移した彼の富と権力は留まるところを知らない。しかし比例して苦悩も増えていく。
偉大なるゴッドファーザー、父ビトーの若き日、1900年代初頭を交差させながら描いた続編。
まず最初に言いたいのは、
ロバート・デ・ニーロってこんなシュッとしたイケメンだったっけ!?
いやもうびっくりした。
物語の重厚さとか、愛と執着をかき混ぜて憎しみ一丁上がりとか、時代の変遷とか、色々思うところはあるのだが、先代ゴッドファーザーの若き日を演じた彼のお姿に「えっ、えぇ……?」と王子様を目の当たりにした庶民のごとく狼狽えてしまった。もちろんダンディお爺ちゃんも好きだけれど!
経歴を見ると幼い頃はNYのイタリア街で育ったというのだから、役どころはピッタリだったのだろう。これが後の”デ・ニーロ・アプローチ”の始まり、なのか。
肝心の映画の方は、そのゴツさにちょっと疲れてしまった。
なんせ202分だし(流石に休憩が挟まれた)、ドンになった後には苦難だらけだろうと予想はついていたし。一瞬意識を失ったことは内緒内緒。
逆に言えば暗黒界にのさばった二人の男の歴史を語るには202分でも足りないのだろう。PART3、最終章までは今回は流石にお付き合い出来そうにない。お腹いっぱい。
トビーパートとマイケルパート、ちょうど陽と陰の対比になるよう、映画は描いている。
家族も故郷も失った天涯孤独のトビーが成り上がる栄光の物語と、陰謀と愛憎と裏切りの連続となったマイケルの孤独な物語と。
前作より一層凄惨なマイケル、アル・パチーノの眼差しが辛い。愛したファミリーを次々失っていくドン。
同じ立場の二人の男、一体彼らの何が違ったのか。
すべてを時代の流れのせいにしてしまうのは乱暴だろう。それよりは初代と二代目という立場の違いと言った方がより厳密だ。
無法地帯を「己こそが法」とばかりがむしゃらに切り開いていく初代。
それを引き継ぎ守ることを課され、しかし停滞も許されない二代目。
法の外で生きる人間は、結局流れる血でしか生を獲得できないのか。嗚呼、マイケル。マイケル……お前は悪くない……。
PART3はまたいつか、機会あるときに観ます。