映画感想文【SISU 不死身の男】
2023年 製作 フィンランド
出演:ヨルマ・トンミラ、ウッコ(犬)
凄いよ、色々。
と聞いて興味本位で観に行ったのだが、最高に最凶でバイオレンスでクレイジーな映画だった。
『RRR』を観た時も似たような感じだったけれど、91分間フルで情緒が揺さぶられまくって心の置きどころがない。上映時間3時間の『RRR』に比べればコンパクトにまとまっていてわかりやすく、尿意との戦いもない点が良い。
ぶっ飛んでいる割にリアリティがないというわけでもないので、きちんとハラハラドキドキ出来る。まぁこれは自分が極端なビビリなだけかもしれないが。何回かお尻が浮く思いだった。
一応1944年、つまり第二次世界大戦末期の時代設定なのでその辺りの描写もあるが、難しいことを考える必要はない。マッドマックスのような北斗の拳のような世界観。
極悪非道、残虐の限りを尽くすナチス軍の残党が爺様(実は最強の単独暗殺兵器)の掘り起こした黄金を横取りしようとして全員返り討ちに合う。相手が悪かった。
最後の最後まで粘ったナチス将校の、それ相応の最期に思わず「ふわぁ〜」である。やるなぁ。
最強ながら一応(本当に一応)人間なので銃弾で血を流すし水中では呼吸できない。はずなのだが、どれだけ痛めつけられても諦めない。「死のうとしない」精神で自分から黄金を奪ったナチス軍を単独で追い詰め、最終的にツルハシ一本で目的を完遂。
唸り声や吠えたりはするが、まともなセリフは最後の最後に一言だけ。シブイの極み。
血みどろ満身創痍の様はダイ・ハードシリーズのジョン・マクレーンをちょっと彷彿とさせるが、ヤバさはこちらの方が上だろう。マクレーンでも飛行機ごと墜落したら流石に駄目じゃないかな……。
コメディチックな展開を全く挟まないので観る方も大真面目、正気に戻ってはいけない。
途中解放された捕虜女性が反撃にでる様もカッコよくて爽快である。
大真面目にぶっ飛んでみた映画、ぜひ映画館でどうぞ。
この予告動画どおり、ワンコ様は最後までご無事なのでそれだけが拠り所。犬は無事ですが人は37564です☆ みたいな……。
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