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映画感想文【ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ】

2023年 スペイン・フランス製作
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:イーサン・ホーク、ペドロ・パスカル

『オール・アバウト・マイ・マザー』の監督じゃん!
と勇んでチケットを購入してから気づいた。上映時間31分て!
そりゃ鑑賞料金一律1,000円なわけだ。
アニメほどの時間で、巨匠は一体何を語るのだろう。期待と不安が入り交じる中での鑑賞と相成った。

<あらすじ>
1910年。若き日にともに雇われガンマンとして働いていた旧友の保安官ジェイクを訪ねるため、シルバは馬に乗って砂漠を横断する。メキシコ出身のシルバはしっかり者で感情的、つかみどころがないが温かい心の持ち主だ。一方、アメリカ出身のジェイクは厳格な性格をしており、冷淡で不可解で、シルバとは正反対だった。出会ってから25年が経つ2人は酒を酌み交わし、再会を祝い愛し合う。しかし翌朝、ジェイクは前日とは打って変わり、シルバがここへ来た本当の目的を探ろうとする。

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結論から述べると、31分はたしかに短いが、物足りなさはあまり感じなかった。
エピソードを増やせば、或いはラストの続きを描くなら倍くらいにはなりそうだが、それがなくても良いやと思わせるまとまり具合がすごい。
余分な贅肉を削いだらこの長さになったということだろうか。またはここだけ撮りたかったということか。
しかしストーリーは十分理解できたし、展開も面白いものだった。ショートフィルムとして大変満足。

当初ポスターを観た時はもしやコメディなのかとも思ったけれど、至って真面目な内容に思えた。
30分の間に四半世紀ぶりの再会で呼び起こされる愛憎が凝縮されて、その結果訪れる、まさしく『ストレンジ(奇妙)』な運命。
歳を重ねて渋さ増々のイーサン・ホークと、情動的な眼差しで語るペドロ・パスカル。
散々避けて逃げ回って遠回りしたけれど、二人の人生は結局は交わってしまうのだ。間抜けな俺達を笑いたくば笑え、などということかもしれない。

二人のその後は一体どうなったのだろう。
再会のきっかけとなった事件や、互いの立場を考えれば、すべてをなかったことには出来ないはず。
30分で描かなかったその辺りは確かに気になるけれど、ここまでで良いのだとした監督の製作意思を重んじることにしたい。
久々に『オール・アバウト・マイ・マザー』を観たくなった。
あと『ガタカ』も。


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