記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

映画感想文【ARGYLLE アーガイル】

2024年 アメリカ・イギリス合作
監督:マシュー・ヴォーン
出演:ブライス・ダラス・ハワード、サム・ロックウェル、ヘンリー・カヴィル

<あらすじ>
作家エリー・コンウェイ、代表作は凄腕エージェントと悪の組織とのサスペンスを描いた「アーガイル」自宅に引きこもり愛猫アルフィーとともに仕事に勤しむが、なかなか最終章が描けないでいた。執筆のヒントを求めてアルフィーを猫用バックパックに背負って列車に乗り込んだところ、突如謎の男たちに襲われてしまう。助けてくれたのはスパイを名乗るムサイ髭男、エイダン。彼の話によれば、小説「アーガイル」はなんと現実そのまま。知らず空想の世界で組織の暗部を暴いてしまったエリーは、エイダンに守られながら逃げ惑うが……。



なるほど『キングスマン』の監督作品だなぁと納得。
ちょっとばかり個性的なので好みは分かれるかもしれない。特に『キングスマン』の第1作終盤、脳みそお花畑(観たことがある人はこの表現で分かると思う)に抵抗がある人にはちょっとおすすめしない。

自分としてはあれはマァ嫌いじゃないかな程度だが、とにかく今まであまり観たことのない類だったので面食らった。ついつい、怖いもの見たさとでも言おうか。今回もその個性はよく表れているが、少しマイルドにサスペンス要素が強い。
パンフレットなどによればヒッチコックの『北北西に進路を取れ』にヒントを得たともある。なるほど確かに〜。

予告編を観た時、「小説家の作品がそのまま悪の組織の秘密を書いてしまった! まるで予言書だ、続きを書け!」という設定がとても面白そうだったのだが、ストーリーが進むにつれて真相は予想を大きく裏切る。
個人的には『北北西〜』と同じく主人公には最後までまるっきり一般人でいてほしかったが、そこをひねってきたのは同じパターンじゃ面白くないだろ、という監督の意気込みだろうか。
うーん、監督のムーンサルトに完敗。乾杯?

「一流スパイは世界をだます」というのが今作品のキャッチコピー。
作中のフィクション小説に登場する凄腕エージェント・アーガイル(ヘンリー・カヴィル)と相棒ワイアット(ジョン・シナ)は、ジェームズ・ボンドもイーサン・ホークも顔負け、如何にも屈強な男たち。
対して現実の世界で組織に追われるのはムサくて冴えない髭男エイダン(サム・ロックウェル)と、引きこもりで小太りの中年女性作家エリー(ブライス・ダラス・ハワード)。
実際のスパイが目立たず社会に溶け込むものであるなら、キャッチコピーに忠実かつリアリティを追求している。エリーのテンパリ具合も面白い。
特に序盤の列車のシーン、エリーの空想のキャラクター・アーガイルとエイダンが入れ替わり立ち替わりのアクションはとても良くできていて観ていて楽しかった。

その分、というのかどうか、後半は少し間延び感が拭えない。
上映時間は139分。『キングスマン』でもお馴染み(?)痛快なアクションシーンなのだが、長い。これでもかこれでもか、という繰り返しで食傷気味であった。

『キングスマン』で強烈な悪役であったサミュエル・ジャクソンや、ガゼル役のソフィア・ブテラが出ていたのがちょっと嬉しい。かの監督のお馴染み俳優になるのかな。
最後に大事なネタバレを一つ……。


安心してください、猫は死にませんよ!!



この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?