映画感想文【ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り】
2023年製作 出演:クリス・パイン、ミシェル・ロドリゲス
映画好きな友人と、映画館に行くならアクションだろうということで。
<あらすじ>
元ネタ(?)は1974年に発売されたテーブルトークRPGといわれるゲーム。世界初のRPGらしい。
始まって半時間ほどは金に物を言わせた安CGか…?などと不安になるが、中盤辺りになるとそれが派手になり、話の内容もボリュームが出てきて徐々に面白くなってくる。
主人公たちが目的のためにさまざまな局面に面し、それをあの手この手でクリアしていくさまが、観客を飽きさせない。
映画の舞台は指輪物語をややライトにした雰囲気なのだが、キャラクターたちの丁々発止のやりとりがウィットに富んでいて楽しく、シリアスになりすぎず面白かった。
主人公、エドガンを演じるクリス・パインを始めとするキャラクターたちが良いし、会話劇というか、脚本の良さが光る。
実のところ主人公の職業(?)『盗賊』は、他のキャラクター『戦士』や『魔法使い』に比べてあんまり役になっていない気がする。自身も「俺は作戦を立てるのが仕事」的なことを主張している通り、特別目立つスキルは持っていない。しかし仲間たちは確かにそれを受け入れ、主人公を信頼し、観客も主人公がリーダーであることに違和感を持たない。
これはクリス・パインの演技が技あり、である証明ではないだろうか。あるいは敵役フォージを演じるヒュー・グラントの逆説的効果か。
ストーリーが結構広がってどうなるのかと思ったが、きちんと最後はまとめられており、満足いくラストであった。
難を言えばタイトルが『ダンジョンズ&ドラゴンズ』なのにドラゴンがやや不足しているくらいか。しかし中盤のドラゴンがデブで飛べない、というのは新鮮味があって個人的には好感。デブだがきちんと迫力があるのでご安心を。
クリス・パインといえば『スター・トレック』や『アンストッパブル』のようなややヤンチャなイメージが強かったが、この作品ではヤンチャなキャラクターが年を取ったら、がそのまま描かれているようで、今までの彼のイメージを損なうことなくストーリーに入っていける。
相棒役のミシェル・ロドリゲスもただ強い人というのではなく種族的な戦士、という役柄がとても合っていた。
当初ヒュー・グラントが悪役で登場した時は驚いたが、なかなかに怪演。人情派で優しい役が多かったように思うが、こういう役もきちんとこなせるのだなぁ、と良い驚きだった。
結果として予想外でとても満足。
指輪物語やハリー・ポッターシリーズのシリアス度にやや敷居の高さを感じる人にはとっつきやすくておすすめのライトなファンタジー作品であった。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?