承認欲求

料理人をしていれば、料理が美味しいのは当たり前。
それでもお客さんからの「美味しかった」は本当に嬉しい。
何回聞いても聞き飽きることのない言葉。

でも「美味しいのは当たり前」なので、一時的なモチベーションのアップにはなるが、これが持続するわけではない。

では、普段の仕事のやりがいは何なのか?

スタッフからの信頼


僕は勝手に「賄いをおろそかにする料理人は大したことない」と思っている。スタッフのことを思ったらしょぼい賄いなんか作れないし、もし賄いにお金が発生してるなら尚更だ。

この感情、なんでかなぁ?と深掘りしていくと、

どうやらスタッフに信頼されたいっていう事だなと。
もっというと、ただただ頼られたい。
「やっぱこの人の賄いは美味しいよね」とか「賄いが楽しみです」って言われたい。
で、最終的には「この人がいればなんとかなる」って思われたい。

これっていわゆる承認欲求なのか?自分が作りたいものを作るよりも、
この頼りにされたいって感情の方が圧倒的に大きい。

これを見返りっていうのかな・・・
笑顔でごちそうさまでしたとか、美味しかったですって言葉だけでいいんだけどな。

今の職場は肩透かしを喰らう。
目の前に賄いを作った張本人がいるのに、それを通り越して「ごちそうさまでした、美味しかったです」とか「お肉めちゃくちゃ柔らかかったです、どうやってるんですか?」
などを洗い場の方に言っている。なんで?

こんなのは初めて。今までの職場でこんなことはなく、
「何食べたい?今度賄いで作るね」っていう軽いやりとりも常にあった。
だから、僕の普段の態度ではないと思う。

もっというと、今の職場はあいさつにものすごい気を遣う。
仕事の始まりはいつだってあいさつからなのに、出勤して絶対に目に入るところにいるのに、何もない。たまたま目が合えばあいさつするような感じ。これが結構大多数いる。非常にやりにくい。
それは調理師だろうが介護士だろうが関係ないだろ。

と、今の職場の愚痴に話が逸れてしまった。

承認欲求のありか




承認欲求が満たされるのはむしろ料理とか賄いではないということに気がついた。
最初に言ったように「美味しいのが当たり前」だから他での付加価値に気がついてほしいと思うようになる。
それは何か?

効率的に仕事をすることだ。

何も考えずに作業をしていると、絶対に効率は上がらない。
これがこうなんだから、こうした方がいいよね?
ということを常々考えている。
物の配置や、作業の順番、1日の流れ。

みんな、受け入れない。自分のやり方が好きみたい。
というか行き当たりばったり。
でも、この作業量は時間内に終わらないと嘆いている。
いや、俺だったら終わるけど・・・。
手が早いとか遅いとかじゃなくて、作業の流れの問題じゃん。
頭使えよ。手動かせよ。

ん?これ承認欲求の話、関係ないな。

まぁいいか。

思ったことをかいていこう。

料理人が偉いとか1ミリも思ってなくて、料理人なんてのは料理が作れるだけで、配膳の人や、サービスの方がいなかったら料理は成り立たない。
だからこそ、お互いの信頼関係がもっとも大事なんだよな。

この人が料理に集中できるように、ここの負担を減らそうとか、
逆に、サービスの方が困らないよに料理は絶対に時間守るとか。
何かあれば事前に言えば済むことなのに、何もない。
どちらか一方が、これくらいしょうがないよね、人数少ないし・・・とか言ってたら終わる。勝手な言い訳を作って、できなかった時の逃げ道に使う。
そんな人とは仕事できない。

キングコングの西野さんは常々「本当にスタッフさんが頑張ってくれた」って言ってるけど、本当に大事。
これで報われる仕事ってめちゃくちゃある。

こういう職場で仕事がしたいな。

ちなみに個人事業主でやっている仕事は、こういうのが本当に上手な人達だから、心から頑張れる。

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