看護師国家試験過去問
こんにちは、えび丸です!
国家試験まじかですね。
無理をせず、本番まで体調を整えましょう。
今回も数問載せますので、力試しをしてください。
1問目
第112回 午前45問
関節拘縮の予防を目的とした関節可動域〈ROM〉訓練で正しいのはどれか。
1. 関節を速く動かす。
2. 運動麻痺がある場合は患側から行う。
3. 他動運動は痛みが生じないように行う。
4. 徒手筋力テストの結果が1以下の場合は自動運動を促す。
解答
×1. 関節を速く動かす。
関節を動かすときは時間をかけてゆっくり筋肉を伸ばすこと(持続伸展)が効果的である。
×2. 運動麻痺がある場合は患側から行う。
運動麻痺がある場合は、患者に安心感をあたえるため意識の有無にかかわらず健側から訓練を始める。
〇3. 他動運動は痛みが生じないように行う。
他動運動は痛みが生じないように行わなければならない。ほかの注意点として、訓練が可能な状態であることの確認、無理な方向に動かさないことなどがある。
×4. 徒手筋力テストの結果が1以下の場合は自動運動を促す。
徒手筋力テストのスコア1は、「筋の収縮はあるが、動かせない」という評価である。そのため自動運動を促しても不可能である。
関節可動域(ROM)訓練の目的には、拘縮予防、関節機能の正常化、血流の改善、筋の短縮の予防、日常生活動作の改善などがある。
2問目
第98回 午前27問
糖尿病性ケトアシドーシスで血中濃度が低下するのはどれか。
1. 尿素窒素
2. ケトン体
3. 水素イオン
4. 重炭酸イオン
解答
×1. 尿素窒素
糖尿病性ケトアシドーシスでは、尿素窒素は増加する。
×2. ケトン体
糖尿病性ケトアシドーシスでは、ケトン体は強陽性となる。
×3. 水素イオン
糖尿病性ケトアシドーシスでは、pHが酸性に傾いているので水素イオン濃度は上昇する。
〇4. 重炭酸イオン
糖尿病性ケトアシドーシスでは、重炭酸イオンは低下する。
糖尿病性ケトアシドーシスは、高血糖、高ケトン血症、代謝性アシドーシスが起こる。動脈血ではpHは低下(<7.3)、重炭酸イオン(HCO3-)は低下(<18mEq/L)となる。
3問目
第107回 午後115問
次の文を読み問題1に答えよ。
Aさん(72歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数 20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。
問題1
妻から聴取したAさんに関する以下の情報のうち、治療方針を決定するために最も重要な情報はどれか。
1. 5年前から禁煙していた。
2. 最近、眠りが浅いと言っていた。
3. 今朝5時にトイレから戻って来た。
4. 健康診査を2年間受診していなかった。
解答
×1. 5年前から禁煙していた。
喫煙は脳梗塞のリスク因子ではあるが、治療方針に直接関係ない。
×2. 最近、眠りが浅いと言っていた。
不眠は脳梗塞発症のリスク因子であるが、治療方針の決定に直接関係はない。
〇3. 今朝5時にトイレから戻って来た。
5時には自力でトイレまで行き戻っているので、5時以降の発症と考えられる。いつ発症したかはt-PA療法の決定のために重要な情報である。
×4. 健康診査を2年間受診していなかった。
2年間健診を受診していないことで他の疾患経過はわからないが、治療方針の決定に直接影響はない。
Aさんの状態から脳梗塞であることが考えられる。脳梗塞の治療の1つである組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)による血栓溶解療法は発症後4.5時間以内が適応であるため、発症時間は重要な情報である。
問題2
Aさんは、左中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、組織プラスミノーゲンアクチベータ〈t-PA〉による血栓溶解療法が行われた。入院から2日後、右片麻痺は残存しているものの、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉I-3と改善がみられた。多職種カンファレンスで経口栄養を検討したが、言語聴覚士による評価では、Aさんは誤嚥のリスクが高いと判断され、経鼻胃管による経管栄養を行うこととなった。
Aさんに行う経管栄養法について適切なのはどれか。
1. 白湯から開始する。
2. 開始前に胃残渣を確認する。
3. 経鼻胃管挿入中は嚥下訓練を中止する。
4. 1日の目標摂取エネルギー量は2,200kcalとする。
解答
×1. 白湯から開始する。
白湯から開始する必要はない。選択する栄養剤は、胃残渣の量など患者の状態を評価したうえで検討する。
〇2. 開始前に胃残渣を確認する。
経管栄養を始める前に、吸引される内容物を確認する必要がある。胃残渣がある場合は、消化管機能や症状の有無を観察する。
×3. 経鼻胃管挿入中は嚥下訓練を中止する。
経鼻胃管挿入中であっても嚥下訓練を実施することができる。
×4. 1日の目標摂取エネルギー量は2,200kcalとする。
「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によると、75歳以上の男性の1日の推定エネルギー必要量(身体活動レベルⅠ:高齢者施設で自立に近い状態で過ごしている人に相当)は1,800kcalである。Aさんは身体活動レベルが低下しているので、これを目標に徐々に増やしていく。
経鼻胃管栄養法は、経口摂取ができない場合に鼻腔から胃にカテーテルを挿入・留置し栄養摂取を行う方法である。胃管の重みや咳嗽・嚥下運動などにより胃管が一部抜けることがあるので、栄養物注入の際には、毎回カテーテルが胃に間違いなく留置されているか確認する必要がある。
問題3
入院3日の20時、Aさんは覚醒し、点滴を触ったり、経鼻胃管を抜こうとしたりしており、落ち着かない様子である。
担当看護師が最初に行う対応で適切なのはどれか。
1. 身体拘束を行う。
2. 早めに消灯をする。
3. バイタルサインを測定する。
4. 向精神薬の使用を検討する。
解答
×1. 身体拘束を行う。
身体拘束など身体の不動化を助長するのは、せん妄の促進因子を増やすことになるため避けたほうがよい。
×2. 早めに消灯をする。
生活リズムの変化はせん妄を誘発することにつながるので、できるだけ入院前の生活パターンに近づけることが望ましい。
〇3. バイタルサインを測定する。
身体の内部環境が整っていないとせん妄を起こす可能性が高い。Aさんは脳梗塞の急性期であり、疾患や治療による身体変化も考えられるため、まずは全身状態の変化がないかどうかの確認を行う。
×4. 向精神薬の使用を検討する。
術後せん妄と考えられる。まずは、せん妄の直接因子・促進因子を取り除くことが優先される。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?