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大人になるとそう簡単には友達ができない。

コロナも多少落ち着いたということで、先日久しぶりに高校時代の同級生と居酒屋に行きました。親友です。
彼はここ数年単身赴任で九州に住んでいて、今年の春久しぶりに東京に戻ってきたのです。
飲みに行こうぜ、と言いながら半年たってようやく実現しました。
家族の事をとても大切にしていて、会うごとに3人の子供達の事を楽しそうに話すので、子供がいない俺としては、少しうらやましいな、などと思いながらも、いつもほほえましく聞いていました。

その彼が、今回はちょっと元気がありません。

話を聞くと「単身赴任から戻ってきたものの、家に居場所がない」という事。単身赴任の時も月1回は休日を利用して東京に戻り、家族で食事したり出かけたりしていたらしいのですが、いざ東京に戻ってくると、日々家族それぞれの予定が入っていて、一緒に食事をすることもままならない毎日だ、と。
週末も大学生の子どもたちはそれぞれ出かけて、中学生の息子も部活や習い事でほとんど家にいない、奥さんもその中学生の送り迎えなどで車で出かけ「出かけようにも特に行くところもないし、日曜日にぽつんとリビングのソファーにひとりでいる事が多いんだよ」とぼやきます。

単身赴任の何年かの間に、家族それぞれの生活リズムができあがってしまっていて、これまで彼が九州から帰ってくる週末は無理矢理合わせてくれていた、というのがあからさまになったらしい。奥さんともちょっとしたことで口論になってしまうと。

家族と暮らしたくて、早く東京に戻してもらうため会社と何度も交渉した結果、希望の部署への異動ではなく、無理矢理戻れる部署に戻してもらったから、仕事の方もなんだかいまいち。「家族のためにと思っていたけれど、実は俺の方が家族に依存していたのかな」苦笑いしながら話すのを聞くと、なんともやるせない気持ちになります。

長年の単身赴任で東京に友達がほとんどいないというのもさみしい理由。
「なんか趣味でもみつけたら?」なんていうありきたりのアドバイスをして、「中型免許でもとろうかな」ということに落ち着きましたが、バイクの免許を取ったところで、やはりなんだかさみしいものはさみしいのだろうなとも思います。

そう、大人になるとそうかんたんに友達はできない。

歳をとるとほんとうに気の置けない友達を作るのには、なにしろ時間がかかるのです。
ネットとかで同じ趣味の人と知り合う事も昔に比べたら簡単になってきたのかもしれないけれど、なかなか友達と呼べるような関係にはなれません。いろいろ相談したり、用がなくてもいつでも会えるようになるには、やっぱり時間が必要な気がします。数年とか。
若いころはあんなに簡単に友達作れたのに。

忙しくてもちょくちょく連絡をとる。時間をつくって実際に会ってたわいもない話をする。そんな事を積み重ねていないと、どんなに気が合ってもやっぱり気が付いたらなんだか疎遠になってたりするものなんですよね、人って。

特に東京は次から次へと新しい人間関係も生まれやすいからなおさら。
人も時間も人生を流れるように通りすぎていく。


定年で会社を卒業したら、どんな日々なんだろうと想像します。
楽しい人たちにかこまれて、笑いながら日々すごしたい。そのために今何をしなくちゃならないんだろう。
セカンドキャリアとかいろいろ言っているけれど、考えるべきいちばんたいせつな事はこれだなと最近あらためて思います。

家族以外の仲間。

「アド街ック天国」とかで、下町とかが取り上げられるとき、よく地元の常連が集まっている居酒屋とか出てくるじゃないですか。あれ、とても楽しそう。
だけど、あんな感じの店はこの辺にはないし…、いっそ引っ越すか、いや場所の問題ではないか、とか思ってみたり 笑 
楽しい人たちと酒を飲むには健康でなきゃ、あとお金も必要だ。そのために何をするか…地味に想いはめぐります。


時代が変わり、リモートでの仕事も増え、SNSやネットゲームとかでのコミュニケーションが多くなり、人と直接会うことが少なくなると、これから人間関係もどんどん希薄になっていくんだろうなと思います。もしかしたらコロナで一番変わる部分がこれかもしれない。
今、まわりにいる人の中で知り合いじゃなく、友達と呼べる人はどのくらいいるだろう。
日々の忙しい毎日の中で「人間関係」雑になっていないかな。

ひとりは楽かもしれないけれど、やはり「気が付いたらひとりぼっち」はさみしいです。
家族やパートナーがいても、友達、大切。

だからこそ若い人達には「お金も大事だけど、自分にとって大切だと思う人間関係は時間をかけてゆっくり育てていくべし!」と、声を大にして言いたいし、おっさんの自分もそうしなきゃと思う秋の夜長の日記でした。



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