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2021年8月に読んだ本を振り返る。
こんにちは、えびかずきです。
9月に入り、だんだん外が涼しくなってきましたね。
もうすぐ秋です。
ということで、今回も読んだ本の紹介をしていきます。
8月は合計5冊よみました。
今月最も刺激を受けた本
『脳の意識 機械の意識』渡辺正峰
脳を機械に置き換える研究の話。
実現すれば不死を手に入れられる、夢のある話ですよね。
最近だとイーロンマスク氏のニューラリンク社が脳と機械を繋ぐBMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)の開発を精力的に行っていて話題になっています。
著者は東大准教授で「MinD in a Device」という人工知能ベンチャーにも携わっている研究者。
中身はかなり専門的な内容ですが、私のような一般の読者にも分かりやすいように、かいつまんで要点を説明してくれています。
流れとしては、意識という漠然として概念を感覚意識体験「クオリア」として定義するところから始まり、脳の構造的な説明、これまでの研究の話、今後の展望という風に展開していきます。
では、どうやって脳を機械に置き換えるのか。
この本の中で具体的な手順が示されているわけではありませんが、記載されている技術を参考にイメージを沸かせると、将来的に以下のような手順が実現できるかもしれません。
1. まず、脳を右脳と左脳とに分割します(←コワイ)
2. 機械で半分づつ脳のデータを転送します
3. 右脳と左脳のデータを統合して機械脳の完成
かなりコワイですが、実現したら私はやってみたいです。
人生100年と言わず1000年くらい生きてみたいと真面目に思っているので、肉体的な寿命で死ぬよりかは、機械に変わってでも生きてみたいと考えるわけです。
渡辺正峰先生の話は、この書籍だけでなくアベマTVでの出演回もあってそちらも面白かったので気になる方は観てみてください。
彼が生きている間に、脳と機械の接続を実現したいというようなことを言っていたので、私はとても期待しています。
全体の流れや感想については以上ですが、書籍の中で印象的だったトピックとして、両眼視野闘争というものがありました。
左目と右目でそれぞれ違う画像を見た時に、意識としての視野を取り合うという不思議な現象が起こります。
やってみると分かりますが、面白いです。
本の中では、クオリアを伴わずに視覚情報を処理している例として登場しました。
下のリンクに両眼視野闘争を試せる画像があったので貼り付けておきます。
気になる方は試してみてください。
ビジネス書
『拡張の世紀 テクノロジーによる破壊と創造』ブレッド・キング
ちょっと前に話題になった、近未来を予測する系の書籍です。
AI関連の話題が多く、中国国家主席の習近平がこの本を推薦しているそう。
コロナ以前に書かれたものなので、若干未来予測の精度を欠いている感じはしますが、それを差し引いても相当面白いし、自分がまだ知らなかった技術やアイディアが沢山でてきて単純に勉強になりました。
一つ一つ書いているとキリがないので、私が知らなかったものを下に列挙してみます。
あなたはいくつ知っていましたか?
・スマート衣服:センサー付きの衣服、強制筋トレ
・3Dフードプリンター:食べ物を印刷できる3Dプリンター
・ディスプレイ塗料:塗るだけでディスプレイになる塗料
・自伝作成機能付き介護ロボ
・SCiO:食品の成分スキャナー
・Voxel8:電子回路を印刷できる3Dプリンター
・Scanadu:バイオモニタリングデバイス(体温,心拍,血中酸素,血圧など)
・マイセックDx:デスクトップ型DNAシーケンサー
・マジックリープ:次世代のAR /VRヘッドセット
マジックリープはすでに商品化されています(高額)。
私はそろそろアップルウォッチでも買ってみようかな。
小説
『ダンス・ダンス・ダンス 上・下』村上春樹
1988年、昭和の最後に出版された村上春樹の長編小説。
「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険」に続く4部作の最後です。
最近までこの「ダンスダンスダンス」の存在を知らなくて「羊をめぐる冒険」で物語は完結だと思っていたのですが、続きがあったことを知って読んでみました。
内容は、表面的に言うと主人公の「僕」(34)が中1の美少女と遊んだり旅行したりする話。
これだけ聞くと、かなりけしからんお話みたいですねぇ。
こんな設定だと、発表の当時は結構批判されたんじゃないかと想像します。
私が生まれる前なのでよく知りませんが。
一方で内容を表面的に言わなければ、主人公の「僕」が仕事を休んで自分探しの旅に出る話です。
いまさら物語の考察とか、作者の意図とかを書くつもりはありません。
とにかく面白かった。
初期4部作の中では、私はたぶん「ダンスダンスダンス」が一番好きです。
この本を読みながら、自分はどうして村上作品が好きなんだろう?とふと考えてみると、それは多分、多くの作品で主人公が社会の歯車から外れて自分のやりたいように生きているという所が魅力的だからなんだと思います。
「ダンスダンスダンス」もやっぱり主人公の「僕」は一旦ライターとしての仕事を休んで、北海道に行ったり、ハワイに行ったりするわけですが、そういう自由気ままな振る舞いが羨ましいというのがあるんだと思います。
話の中で、「文化的雪かき」というワードが出てきます。
これは、誰かがやらなければいけないけどあんまり意味のない仕事、という意味で使われていますが、日本人は自分の仕事をそういう風にとらえている人が多いんじゃないかと感じます。
30年以上も前に書かれた作品ですが、令和の今になっても共通するものを感じました。
しかし先日の村上RADIOの放送は、ひどかったなあ。
あんなに直接的に誰かを批判する発言をするとは。
言いたいことはわかるけど、作家ならもう少しうまく表現してほしかった。
『グレート・ギャッツビー』 スコット・フィッツジェラルド 村上春樹訳
言わずと知れたアメリカ文学の名作中の名作です。
1920年代、第一次世界大戦後のローリング・トゥエンティーズと言われる時代の恋愛小説。
貧しい家柄から闇商売で一気に成金になった「ギャッツビー」という男が、元恋人の「デイジー」とヨリを戻すために頑張るお話です。
「ギャッツビー」がこれまたイイ奴なんですよねー。
一途で実直なあまり、哀しい結末にはなってしまいますが、人間味のある彼の行動に共感を覚えました。
アメリカの歴史に興味があるなら、一読することをお勧めします。
ディカプリオ主演の映画も見たけど、素晴らしかった。
エッセイ
「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」村上春樹
村上春樹と心理学者・河合隼雄との対談です。
心理学者だけあって人間のこころの話に腹落ちする部分が多かった。
日本人の中には、自分の不幸を他人の責任と考える人が多いという話があって、確かになと思いました。
あと、対談の中で箱庭療法という心理療法が出てきましたが、調べてみると結構面白そう。
言語以外の方法で自分の心理を表現して心を癒すというやり方みたいです。
ちょっとやってみたい。
そのほか印象に残ったこととして、対談の中で『芸術作品とか小説には作者の考えとか意図を超越する要素が含まれていることがある。だからこそ面白い。』というような河合さんの意見があって、すごく面白い考え方だと思った。
まとめ
今回は8月に読んだ5冊を紹介しました。
相変わらず村上春樹をよく読んでますね。そろそろ全著作を読み終えるんじゃないかという気がしてます。
最近読む本が、2,3年前や時にはもっと古いものになっていて、新しい情報に触れてない気がする。。
というのもこれには理由があって、実は去年調子に乗って本を買いすぎたせいで、うちの本棚にはまだ30冊くらいの積読がある状態なのです。
機械学習関係だと、ゼロつくシリーズとか、パターン認識と機械学習(通称PRML)、小説だと坂の上の雲なんかが本棚にひっそり眠ってます。
早く積読を消化して新しい書籍を読んでいきたい!
ということで今回は以上。
また来月お会いしましょう。
読んだ本はメルカリで売ってます
欲しい本がありましたら、安くお譲りしますよ。
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