見出し画像

「自社サ」から「SES」へジョブチェンジ!Youは何しにSESへ?!【後編:人月の世界へようこそ】

中編はこちら
https://note.com/ebiebi_pg/n/nf25567ce4a4c


初めてのSESのお仕事。

地方中小な自社サ転職組から見てSES企業の魅力的なところは


・年収UP!(100万アップ!←自社サ比)

また、
・稼働時間も少ない!(月100時間以上減る←自社サ比)


楽して稼げるドン!!



1.客先常駐企業の募集方法

当時自分は「SES」という言葉も知らずに面接をし、SES企業に内定をもらった。
なぜなら地方都市には「違法多重派遣」を中心としたビジネス展開をしているSES企業が多く、そういった企業は求人募集に


「客先で仕事をする派遣っぽいお仕事です」


とは、絶対に書かない。
みんな派遣という言葉に過剰に反応して派遣の会社は選ばない。


だから、求人募集には

「みんな!僕たちと開発しようぜ!」

みたいなノリで掲載している。
なので何も知らない自分は

「おう!開発すっぞ!」

ってノリで転職したw



2.面接と面接と面接

多重派遣だから派遣元と面接してさらにその先の派遣先と面接してまた、そしてまた、その派遣先と面接するw


「多重派遣」なんて世界を知らなかった自分は
最初に面接した会社が合格をくれた時点で仕事が決まったかと思い、前職を退職した。


妻子持ちなので合格が確定してから辞めないとリスクがデカいと思って、最初の面接合格までは前職を辞めてなかった。


しかし、最終面接(エンドユーザとの面接)に合格しなければ自分が応募していたSES企業への内定は取り消しになる予定だったと後で聞かされてビックリしたw


「妻と子供を抱えているのに、君、勇気あるね!」

とか言われたけど
勇気も何も、御社との面接に合格したから前職を辞めただけですww


そして、3回の面接に合格して、無事SESデビューを果たした。



3.人月の世界へようこそ


SESの感想。
自社サとゼンゼン文化が違う。

自社サ時代はバリバリと開発できないエンジニアなんてただの負債でしかないから、容赦なくクビを切られる。


作る⇒売れる⇒稼げる
といった流れだからね


だが、客先常駐は違う。


常駐する⇒稼げる


客先に常駐してしまえば開発できてもできなくても
常駐先が毎月お金を落としてくれる。

どれだけ作るかではなくどれだけ人月を確保できるか
で稼ぐ世界(なんか、日本語変)


でも開発できない人が客先行ったらすぐ切られちゃうのでは?


そう思うかもしないが、開発できない人が客先へ行くときは
だいたい開発できる人が先に入って実績を作ってる現場へ派遣される。


派遣後に開発できない事がバレても
「先に入っている開発できるエンジニア君とペアな要員だから、開発できないエンジニア君だけ切るのは無理ですよ?」


とかいう交渉を営業がするから
仕事できなくても派遣先は確保できたりします。
(けっこうこういうシーンを見てきました。)


つまり、エンジニアに何ができるかとかじゃなくて

何人送り込むかが重要。




4.仕事できなくても超安定


この、「人月ワールド」はとても安定している。


頑張って稼がなくても誰かが稼いでくれることにより成り立っているから、自社サ時代みたいに「利益を生まなくちゃ!!給料止まっちゃう!!」って必死にならなくても良い。

しかも、自分が居た会社は「完全年功序列制」だった。

毎年5000円以上は確実に昇給するし
「俺はえらいんだぞーーー」って豪語すればさらに年収は上がっていく
とても簡単な出世術だ。

また、「客先評価はエンジニアの評価にあらず。
自社の管理部門から評価される人こそが昇給すべきだ!」


って社風だった。
(帰属意識を重要視するとかそんな感じの理由)


調子の良い事言う人がどんどん出世していった。



不思議な事に各客先評価が極悪で「地元の有名な派遣先は全て出入り禁止になってしまい、自社で適当な仕事をしている謎の部長」の年収が地方都市としては高めの800万だった。


理由は簡単。

「部長だから」


定期的に「君たちはどんなSEを目指すのか?」といったアンケートを実施するのが好きな部長で、派遣先の仕事忙しくても「帰社して面談だ!」とか言ってくる。
(たぶん、それしかすることなくて暇だったんだと思う)

自分はこういった仕事しない部長勢力からは超嫌われていたが
客先からの評判(単価)が良かったので営業勢力からは超気に入られていた。



5.SES企業の安定に甘えた15年


めんどくさい部長さんの相手を無視してたせいで出世はしなかったが、30代で年収500万強もらえる生活に満足しきってしまった。
(地方では良い方だと思う)


ただ、自分自身の会社に対してやりがいはそこまでない。
入社したばかりの時は上司に対して
「会社を変えたい!こうしたい!」
って意見を述べても、客先単価が良い自分は
「だまって客先で金稼いで来い」
としか言われない。


客先には評価をしてもらえても自社からは何も評価されていない事は分かっていた。


ただし、自分には子供もいるし、嫁さんは「働いたら負け」と言う専業主婦さんw。なので金銭的な理由や安定を求めて15年以上もこの会社に居座った。


モノ作りが好きでエンジニアになったのに
自分の家庭にお金がかかるからって理由だけで人月ビジネスの要員として、ただただくだらない社員生活を送っていた。


自分は後にフリーランスになったのだけど
地方でエンジニアとして安定して給料もらいたいならSES一択だと思う。



6.SESのイメージ

SES企業に勤めて何度か引き抜きされて、3社ほど経験したが
どの会社も「給料と仕事だけは安定している」といった感じで特にやりがいを感じる事はなかった。


入社した直後は
「社員全体のスキル底上げだー!!!」


といって勉強会的なものを多々開催したり


インフラ業務担当している社員巻き込んで自社製オリジナルメーリングリストサーバ建てて遊んだり

色々と活動してみたけど

いつの間にか「あーー、、、またえびさん何かやっているな。。。」そんな空気になる。


皆、エンジニアを楽しみたいというより自分と同じで安定した仕事を求めてただけ。
そんな雰囲気。


ちょうど、こんな記事を書く人を発見してSESには良いイメージを持っていなかった
https://axia.co.jp/2018-04-19




7.良いSESがある事も知って欲しい


そんな中、自分はフリーランスになった。
自社からの評価はすこぶる悪かったが、客先からの評価は高かった為「フリーランスになろっかなーー」って話を出した瞬間に某社のお偉いさんが
すっ飛んできた

単価安いから、そこと契約するつもりは無かったのに、けっこうな規模のSES会社のお偉い方が毎週飲みに誘ってきて「他へ行くな。ウチで仕事してくれ」って言われたのでそこで働いている。(半分以上、騙された感はあったけど…w)

「たぶんYES言うまで毎週飲みに誘うな…この人」

そのお偉いさんとは、出世する前(支店長だった時代)からの長い付き合いなので、お互いの性格は良く把握していて、自分が飲みを断れないタイプだという性格を把握したうえで王手をかけてきたw


10年以上も自分を勧誘してくる人だw


んーー、しかたない、、、この会社に決めるかぁー
ってなってしまったw



でも、何よりうれしかったのがこの会社は「自分を見てくれる事」である。



後にTwitterでSES企業の経営者という人達と知り合うのだが、みんなポリシーを持ってる人達ばかりだ。



その人達の考え方ってすごく感動するものがあって、「SES=悪」って思っていた自分は、たまたま良い会社と巡り合えなかっただけなんだなぁーって実感した。




エンジニア歴20年以上にしてやっと良いSES企業が沢山ある事に気付けた。


いや、、、、良いSES企業は昔から沢山あったのだろうけど、それ以上に悪いSES企業が多すぎて偏見を持つしかなかったのだなぁって言い訳してみる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?