善し悪しの仕組み

魔法には善悪が無い。

使う者、使われる者に善悪はあるが。

例えば人魚姫の魔女が使う魔法なんて、求められれば使われるだけの舞台装置みたいなもので、ただし代償がありますぐらいの注意ラベルがある程度の魔法だ。声をもらいます、恋しい相手を殺せたら解けます、とかの代償ぐらい。

魔法には、本当に善悪は無かった。ただし周りに居る者がそう思うとは限らず、人魚姫が居なくなったあとの海では、魔女狩りが執行されて魔女裁判に魔女のハリツケに日干しの刑が実行された。心優しい人魚姫もいないし、彼女を失った原因は魔女の魔法だし、止める者など誰も居ない。

かくして一匹の魔女が処刑される。善悪は無いのに、この世界には明確に善悪を求めたがる仕組みが、あった。

脳の仕組みである。


END.

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