オスとメスの性差(人魚姫)
人魚姫の女の子には魔女が味方になってやれるが、人魚のオスはなんだか、扱いが粗雑である。シーマンとも呼ばれるし、そも人間の姿をしておらず爬虫類の上半身をもってして描かれることが多い。ここに、人魚姫たちが、人間に次々に惚れてしまう理由がある!
「つまり、イケメンいないわけ。同族の男がイケメン絶対いないわけ! だぁから人魚姫なんてもんはそこらの馬の骨に一目惚れするのよ簡単にね!」
「美空ちゃん。つまり、女子校だからセンセがカッコよく見えると……」
「そーいうことかな!」
恋相談に乗り気だった美空は、相手を知るやいなや、人魚姫世界における男女差について抗弁を垂れたのだった。井の中の蛙、大海を知らず、とも言う。
「女子校で流行るセンセへの恋心なんて人魚姫の恋みたいなもんよ。私がいくつそんなもんを見てきたと思ってるの?」
「うっ。学校霊の美空ちゃんがそう言うと説得力がスゴイわ……」
「事実だからよ?」
美空は、階段のポーチに浮遊しながら、霊感女子の相談を受けている。美空がこの学校に取り憑いてから、じつに100年が過ぎようとしていた。
まだ、幸せになれた人魚姫のような生徒は、見たことがない。本当の話だ。
END.
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