天パを侮る勿れ。
「ミステリと言う勿れ」という漫画にハマっております。
探偵モノ…?推理モノ…?
どこにカテゴライズしたらいいのか、ちと迷います。
そのくらいの勢いでかなり奇妙なミステリ。
とにかく主人公が喋る、喋る。
空気読まずに喋り続ける。笑
しかも、その内容が哲学的というか、屁理屈というか。
一見、大きく脱線したように感じる話が、
実は事件の真相や核心を突いている。どんでん返し的な面白さ。
主人公は久能整。くのうととのう、と読みます。
大学で心理学を専攻する学生さんです。
見事なアフロヘアーが特徴。天然パーマだそうで。
天然パーマという言葉に親近感を感じざるを得ません。笑
なぜか整くんが次から次へと事件に巻き込まれ、
お得意のお喋りで真相を明かしてしまう、というストーリー。
主人公が出先で「なぜか」事件に巻き込まれるのは、もはやお決まりのパティーン。笑
ですが、整くんはコナンくんや金田一くんのように
「犯人は○○だ!!」とか「じっちゃんの名にかけて!!」とか「ネクストコナンズヒーント!!」とか言わないし、麻酔で眠らせたりしない。
そして高校生ではなく、大学生。
そんな整くんは閉鎖された空間で事件関係者たちと一緒に過ごし、そこから生まれるお喋りやちょっとした動作から事件を解決に導いちゃう。
今までの推理モノとはちょっと違う感じ。
作者の田村由美さんも、
閉鎖的な空間でひたすら整くんが喋ります、朗読劇なイメージ、とお話しています。
まさにその通り。
事件の中で語られる内容は登場人物たちの心の叫びであり、
社会の矛盾や理不尽、人間関係のストレスを代弁しているような気もします。
これがなかなか深いし、現実味を帯びてる。
「あ。漫画の世界だけの話じゃないな、コレ。リアルだ。」と。
閉鎖空間で続くお喋りは、
やがて行き詰ってしまいます。そこで活躍するのが整くん。
一瞬の隙をついて会話の切れ目に入ってきたと思ったら、一見なんの関連性もない話をぶっ込んできます。ぶっ込み~!!OKバブリ~!!
読めば読むほど面白い作品。
整くんが空気を読まずにお喋りして、脱線しているように思えるけど、
実は本質を突いている。
事件解決までのプロセスが独特なので、好き嫌いが分かれそうですが、
私は好きです。
そろそろ天然パーマにとって最大の敵、
「湿気」との戦いが始まりそうです。天パを侮る勿れ。
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