22歳大学生、「今すぐ購入: 購買意欲はこうして操られる」を見た話
こんにちは
街中はクリスマスムード一色、いたるところで飾り付けやツリーが見られる季節になりましたね。1年の終わりが刻一刻と近づいていることを感じます。
年末年始はセールも多く、財布のひもが緩みがちです。私は特に下半期以降断捨離に取り組んだので、今年は余計なものを買わないように気を付けたいと思っています。
そんな私の前にピッタリな作品が現れました。「今すぐ購入: 購買意欲はこうして操られる」です。
もともとXでこれが面白かったというポストを複数拝見したことでたどり着きました。ネットフリックスは最近値上げをしたので、来月の更新をしないことにしていたのですが、解約間際に面白い作品と出会うことができたので少し紹介したいと思います。
社会派ドキュメンタリーですので、ネタバレという概念があるかはわかりませんが、続きが見たいと思っていただけるように努めます。
あらすじ
売上向上のために少しでも多く注文させようとする企業側の緻密な戦略と、それにまんまとハマった消費者の購買が世界中で絶えず行われ、それが過剰な大量生産、大量販売、大量廃棄を生み出し、われわれの生活と地球の自然環境を圧迫していく様子を、専門家たちが教えてくれます。
その「専門家」というのは、売上向上のために少しでも多く注文させようとするマーケティングの最前線で活躍していた某世界的大企業の元社長やエース格の社員たち。つまり、庶民をカモにするエキスパートだった人たちが自らその戦略、そして現状への後悔を語っています。
当事者が語るものは強い
少し前の読書感想文にて、令和ロマンのくるまさんが書いた「漫才過剰考察」について言及しました。
ここでも面白い理由の一つとして「お笑い評論家ではなく、現チャンピオンが語っている」と挙げましたが、この作品もまさにそれに当たります。
環境活動家やジャーナリストへのインタビューだけでは、ここまで反響を呼ぶ作品になっていたとは思えません。実際に我々消費者が沼にハマるような仕組みを作り出していた当事者の意見は見事なまでに芯を食っており、面白いものばかりでした。
そして、そうした当事者たちがいわば過去の自分を否定するようなコンセプトの作品で後悔を語るのも衝撃的。過度な生産・消費・廃棄が地球にダメージを与え、まわりまわって私たちの生活も脅かしかねない現状に強い危機感を感じていることがよく伝わってきました。
企業は利益を追求するもの、それは当然です。企業は社員に給与を与える必要があり、株主にも利益を還元する必要があるからです。
しかし、その利益だけを追い求めた結果、私たちの生活に支障が出てしまうとしたら、それはいい企業とは言えないのではないでしょうか。最初はただただ巧妙なマーケティング戦略に感銘を受けていただけの私も少し考えさせられました。
売り手の責任・買い手の責任
こうした社会問題はどうしても売り手がクローズアップされがちです。社会的責任、SDGs、時代と共にキーワードは変わっていますがいい売り手であることを求められがちです。
しかし、大量生産はまだしも大量消費・廃棄は我々消費者の責任です。買い手もいい買い手にならなければいけません。
私も反省するところが多くあります。数年前に買った服で今も残っているものはほとんどなく(サイズの問題ではない)、1年単位で服を変えることもしばしば。日用品もとりあえず買ってみて、合わずに捨てることもしばしば。
ちょうど最近は断捨離をしていて、ミニマリストを目指していることもあって買うものがかなりパターン化しています。結果的に適切なものを適切な量だけ買うといういい消費者に近づいているので、これを続けたいです。
流行り廃り・好き嫌いがあるのは当然のことで、皆さんの消費行動を変えるように強制するわけではないですが、私たちの大量消費・廃棄が水・食料など私たちの身近なところにまで影響を及ぼすということだけでも気に留めておきたいものです。
ネットフリックスだからこそ輝くエンタメ
この題材を地上波で放送するのは難しいかもしれません。特にスポンサーとの調整が難しいことでしょう、なんせ自分たちの活動を否定していることにもなりかねませんから。私たちが自ら見に行くネットフリックスというプラットフォームだからこそできるのです。
もちろんテレビではないので1時間30分近くの作品でも全くCMがありません。本編を見ていただくとわかりますが、都度メリハリをつけてストーリーに没入させる工夫も秀逸です。
ここ最近は開いてすらいなかったネットフリックスですが、久しぶりに素晴らしい作品と出会うことができて本当に良かったです。ぜひ皆さんにも見ていただきたいです。
とはいえ、見ている頻度と価格が見合わないので今月で解約します。
ぜひ。