見出し画像

鬱病と自分

最初は不眠症だったか、自傷癖だったか、もう覚えていない。
不眠症は酷い時で2時間おきに、全身汗だくで心臓がバクバクいって飛び起きていた。着替えやタオルが必須だった。
自傷癖は剃刀を買い、ひたすらに左腕を傷つけた。今の左腕は満遍なく傷があり、左肩まで達している。

高校生くらいで、これは病院に行くべきでは?と直感し、問診票にバカ正直に「腕を切ってしまう」と書いたら「当院では扱ってないので精神科に行ってください」と、追い払われた。
それ以降、どの医者にも自傷癖は伏せて、でも傷は増える一方だった。
家族にもバレた。そんな育て方はしていないと弾糾されたが、家庭以外でなにがあるんだろうと思った。

結局、高校生から今まで10年ちょい、不眠症に苦しみながら自傷癖でめちゃくちゃになっている。
月一で手首を切っているが、腱まで切らないよう注意が必要だ。
精神科では重度の鬱病と診断されている。
5年ほど前に、自傷しすぎて重度の貧血となり、輸血されたのち閉鎖病棟で3ヶ月過ごした。
本当になにもない場所で、窓も少ししか開かず、あまりの閉塞感に過呼吸になりかけた。
退院した時は嬉しかったが、もう精神はズタボロだった。
入院する3ヶ月前あたりから精神的に良くないことが続いた。そして閉鎖病棟は別に心を癒してくれない。ただ、投薬して変な行動をしなければ出て行けるだけの話だ。

もう狂っていると言っても良かった。
前にも書いたが、全てが等しく価値がないと思えた。
退院してからあまり記憶がない。
今でも記憶力は落ちている。何故そうしたのか?という動機が分からない。自分がふたつに分かれてしまった。
2度と戻らないだろう。
ついでに仕事中に意識がなくなる事が増えた。
居眠りだと判断され、クビになったこともある。
意識が突然プツンと消えるので、何を考えていたか忘れたが、話は聞いている、という状態だった。

正常ではない。
それが少し悲しかった。
だから今でも死にたがっている。死は歓迎するもので、忌避するものではない。
こんな壊れた人間を必要とする世界ではないからだ。

死に際の母について考える。
病院に押し込まれたのは少しかわいそうだと思うが、突然昏睡状態になったので入院していて良かったと思う。
最後に会話したのは4年ほど前で、アニメの原画したから見てね、と言った。話す限りは珍しく穏やかな母だった。
その後、主治医と話していると勝手に涙が出た。母の世話を押し付けられた辛い記憶がとめどなく流れたからだ。

結局母はその後精神を病み、暴れるので一日中安定剤で眠らされていた。最期はてんかん発作が酷く、口の中を噛みすぎて血まみれだった。そして尿毒症で死んだ。

きっといつからか意識が消えたと思う。その瞬間が穏やかであってほしいと少しだけ願う。

明日も生きているかわからない。
死にたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?