見出し画像

ビジネス出張記004 : フランクフルト (レッドライト)

1. EU金融の中心地

 欧州中央銀行が聳え立つフランクフルト、そこは正に欧州金融の中心地である。しかしながら、日本人に馴染みが薄い街と言えるかも知れない、“地球の歩き方”にも多くの情報は載っていない。そんなフランクフルトでの手探りの一泊で垣間見た、街の顔を以下に示す。

2. ホテル受付

 夕方に到着したホテル受付で、お勧めのドイツ料理の店を訪ねた。地元の料理と酒が楽しめるレストランを探すには、ホテル受付は貴重な情報源である。流暢な英語を話すフロントのドイツ男性が、2つの店を紹介してくれた。その内の1つの店は、新しくて割引券も有ると薦めながらも、「Red Lightだから…」と歯切れが悪かった。「Red Light, you know…」と言われたが、正直Red Lightの意味はピンとこなかった。しかしながら、もらった割引券を無駄に出来ない貧乏性と、未知の単語への好奇心に背中を押され、迷わずRed Lightの店に向かった。

3. 意味

 目的地に向い、通りの角を曲がった途端に、その意味は把握できた。教えて貰った地域は、ピンク色のネオンのきらめく、ヨーロッパきっての歓楽街であった。目的の店周辺は、夕食を食べる雰囲気とは程遠く、”SEXY”だの”GIRL”だの怪しげな看板が目白押しであった。“おいおい、こんな場所の店を紹介するか…”と思いながら店の看板を見上げていると、右手に人の気配を感じた。驚いて振り向いた時には、ドイツの大男に腕をつかまれていた。「Come on!!」との雄叫びに近い掛け声とともに、隣の怪しい店にものすごい力で連れ込まれそうになった。何とか入り口寸前で踏み止まり、腕を振りほどいたが、その怪力と俊敏性には驚いた。ドイツのブンデスリーグで活躍している日本人プレーヤーの凄さを、失礼ながらこんな歓楽街でまざまざと感じた。そんなのん気な物思いにふける間も無く、ひとつ隣の店のから、ごつい男の鋭い視線がささった。なにか言っているので、よく耳を傾けると、「ス・ケ・ベ、ス・ケ・ベ」と呼び掛けていた…。Red Lightの意味を、しっかり学べた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?