見出し画像

チガサキ⊿ライフ004 : 土地柄

1. ハマムラ

 北海道出張の夜、とある居酒屋で酒を飲んでいた。サッポロビールを調子良く飲み、用を足しに席を立った。トイレに行く途中、綺麗な女性店員に呼び止められ、紙とボールペンを渡されて「ハマムラと書いてください。」と言われた。綺麗な女性であったので、行きたかったトイレの事を忘れて、自然にハマムラの顔絵を描いて笑顔で渡した。彼女は店長の娘さんであり、母親も奥から現われ、紙を見てやっぱりと親子で納得していた。何の事かその時は分からなかったが、テレビで大阪府民だけがこの奇妙な顔絵を書くと放送していたらしく、私の話声を聞いて大阪出身と思って確認したかったとのこと。土地柄に由来する話をもうひとつ以下に示す。

2. どれにしようかな

 娘が歌う数え歌を聞いて驚いた。「どれにしようかな、天の神様の言うとおり。鉄砲撃ってバンバンバン、も一つおまけにバンバンバン。」なんと乱暴な歌を歌っているのか。神様が鉄砲を撃ち捲くっている。まるで、神様ご乱心の数え歌である。近頃の凶暴なご時世を繁栄してこんな歌詞になっているのかと思ったが、Webで調べてみるとどうやら土地によって歌詞が違うようである。大阪で私の子供の時は、「どれにしようかな、天の神様の言うとおり。アップップの柿の種。もひとつおまけに、プップップ。」関西でも場所と時代によって色々あるようだが、プップと言うフレーズは一貫しており、平和的な歌詞である。

3. Tシャツ

 オーストラリアのお土産Tシャツをベッドに敷き詰め、どの服を着るか娘が選んでいた。数え歌の歌詞は、当然野蛮な歌の方である。そこの息子が参加するのだが、何度姉が教えても、“どれにしようかな”の後に“も一つ撃ってばんばんばん”を二回繰り返し、鉄砲のフレーズを入れない。あたかも頑なな平和主義者のごとく“鉄砲”を使わない弟に、姉が「もうー、嫌だー。」と怒る定番の姉弟喧嘩が始まった。大抵の喧嘩の元は息子に問題があるのだが、この場合は気持ち息子に同調できた。

画像1


この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,870件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?