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ビジネス出張記077 : 韓国 (緊急通報)

1. 三桁番号

 ところ変われば、緊急通応用の電話番号も異なる。韓国では消防署への通報は日本と同じ”119”であるが、警察は”112”である。出張中のふとした会話から、この三桁の番号が決まった背景を調べてみた。

2. 背景

 昔はダイヤル式の電話だったのでダイヤルを回す距離が1番短い1を多く採用し、誤りを防ぐためにダイヤルを回す距離が1番長い0や9を最後に使うことにしたのが理由だそうである。最近見る事のないダイヤル式電話なので、番号の並びが思い出せず、右写真で確認してみた。プッシュ式電話が幅を効かす現代では関係無い話だが、当時では確かに理に適っている。ちなみに、警察は最初から110番で落ち着いたようだが、消防は導入当初(大正15年)は112番だったそうである。ダイヤルを回す距離が短い組み合わせの112番が採用された。恐らく韓国の警察に採用されたのは、同じこの理由と推測される。しかし、これが意外とかけ間違いが多かったらしく、翌年の昭和2年にダイヤルを回す距離が長く、かつ使われていなかった地域番号9を入れ119番にしたという。

3. 消防の日

 出張時のふとした会話は、偶然車で通った消防署に”119”の垂れ幕を見かけた事で始まった。世界のニュースではアメリカ同時多発テロの慰霊ニュースが流れている9月11日、韓国では消防の日である。9月11日に託けて、119番の日としている。それを言うなら11月9日だろうと、ツッコミがあって初めて成立するような無茶な設定である。同じ緊急電話番号を採用していても、日韓のセンスの違いが表れた、興味深い一幕である。

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