『宮下愛は火属性』2巻を読み……ました……。

「宮下愛が、反乱!!?」(読者の声)

感想には程遠い雑談コーナー。第二回。
色々語りたいことはあったんだけど最後の引きに全部持ってかれました……。宮下愛が、反乱?????

そんな感じで虚を突かれたわけですが、しばらくすると、でも愛さんは優しいらしいから。と少しだけ納得。

「絶対に成功させる。この世界から属性による差別と格差を根絶やしにする」

宮下愛は火属性2、379ページ

決意表明もしてましたし。
ただ、騒乱を経て、侑ちゃんの思想に触れてした決意。それはただの第二の高咲侑の誕生、高咲侑の模倣なのではないのかと思ってしまわなくもないけれど。願わくばその決意は愛さん自身のオリジナル、自身で導き出した答えであってほしい。1巻を読んだ時から大衆から見た時の正義の人ではあるけれど彼女自身の信念が無いとは思っていたので(これについて2巻で掘り下げてくれたのは嬉しかった)一連の騒動を通して、答え、信念を見つけたならそれは祝福すべき成長なんだと思います。たとえそれで大衆の敵に回ったとしても。
愛さんの決意が判明する3巻も楽しみですね。


◇この世の全ては主観なんだから

覚えてる範囲で、愛さん果林さん侑ちゃんの三人が「他人の為のつもりで結局、自分の事しか考えてなかった」と悔いるシーンがあります。立ち位置こそ違えどそれを出来るこの子たちは似た者同士で『優しい』子なんだなと。

そもそも、自分の事を第一に考えること、それこそが『人間』らしさでもあると思います。そう思うのは私がそっち寄りの人間であるからかもしれませんが。


◇高咲侑

あまりにもボスキャラとしての風格に満ちていましたね。無属の子たちへの勧誘シーンは震えた。2巻を読み進める過程で「よくもりなりーを!絶対に許さないぞ高咲侑!」から「誰か……誰か侑ちゃんを救って……!!!!」に気持ちが移り変わっていったのはとても印象深いです。

印象深いといえば、侑ちゃんの過去話への動線がすごく良かったです。屋上での激アツバトル。果林さんの参戦、復活の愛さんという王道イベントを経て、愛さんが圧倒している中でのシームレスな過去導入は最高でした。ここで歩夢事件の全貌が判るのかと。読者の誰もが知りたかった過去だから。

そして過去話、あまりにも地獄。

自分のせいで歩夢ちゃんに人を殺めさせてしまった。転じて自分が綺麗な歩夢ちゃんを殺してしまった。それが地獄でなくてなんなのか。地獄という言葉で足りるのか。終始ドン引きしながら読み進めていました。

そんな中で『黒』の設定がすごく良くて、自己嫌悪による発現っていうのが説得力があって良いですよね。少なくともこれを経て侑ちゃんが発言したのは納得だし、璃奈ちゃんが最強の『黒』だっていうのも思わず唸ってしまってしまいました。

とにかく救われてくれ高咲侑……。

「喋るな、ゴミ」と言っていた彼方さんに完全同意だったあの瞬間の気持ちはもう塵ほどもありません。この掌返しもまた人間の醜さ……。


◇以下戯言

「喋るな、ゴミ」
→正直興奮した

気勢を削がれた彼方ちゃんの嘆願と悲鳴
→正直興奮した

あれ、やはり人間は根絶やしにされるべき……

『黒』の発現には凄まじい苦痛を伴う
→璃奈ちゃんは必要だったからワンチャン『花』で護られた可能性があるけど、愛さんは?もっと昔に発現してた?単なる見逃しだったらごめん。

岩しろ先生の書く中須かすみちゃんってあまりにも中須かすみちゃんだから大好きです。


色々書きたかったことは山積みだった2巻だけど #15と反乱の愛さんにだいぶ脳内ストレージを破壊されてしまいました。非常に重い内容ながらも読み応えのある一冊でした。次巻も楽しみ!

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