『青き日のカナリアへ』プチ感想 〜愛とは見返りを求めない事〜

サークル悔いの書庫、笹鎌愁久さんの『青き日のカナリアへ』を読了しました。少しだけ語りたいシーンがあったのでネタバレ込みでプチ感想的なものを綴ります。

ネタバレしないで綺麗に纏められた非常に良い感想だと思います。自画自賛。

私は栞子ちゃんを親目線で見ている(何様だ)為、出来れば幸せになって欲しいと思っています。えっちなイラストもかなり無理です。なので現在主流の悲恋系しおぽむはちょっとなぁ……と思っているのですが、そんな事を思う余地もないくらい、物語に没頭しすぎて披露宴の席で栞子ちゃんのスピーチを泣きながら聞いていました。"「(前略)大好きです」"のセリフを聞いてもうスタンディングオベーション。身を引きつつも逃げずに想いを伝える栞子ちゃんで更にボロ泣き。和泉キリフさんの挿絵も素敵なんだこのシーン……。

とにかくこの作品ではしっかり栞子ちゃんの良さである(あるいは悪さ)ズルが出来ない真面目な所とか、歩夢ちゃんへのまっすぐな思いが描かれていたので最終的にあの選択をした栞子ちゃんを、歩夢ちゃんの幸せを願って身を引いた栞子ちゃんを心から格好良いと思いました。見返りを求めない献身を私は愛と呼びます。
愛。愛ですよミアチ。

前置きが長くなってしまった……。語りたかったのはラストのテラスのシーンです。ここまでのシーンで既に栞子ちゃん格好良い!! と心は乙女になっているのですが嫁にしてくれ……!! とまで思わせたテラスのシーン。栞子ちゃんがプレゼントしてたネックレスを歩夢ちゃんが大事にしているのを嬉しくは思いつつも首から外して取り上げちゃうんですよね、栞子ちゃんが。ここまで読んでればもう「私の事は忘れて侑さんと幸せになってくれ」って意味だと理解出来ます。三船栞子さんは真面目で不器用な女性なので。時々は思い返して欲しいと思いそうなものですが、潔く、潔く身を引くんですよね。格好良い。

それで外したネックレスをどうするのかな、正直なところ捨てるのかな、と思ってたんですが大事にポーチに仕舞うんですよね。これが「私の事を好いてくれた歩夢さんの気持ちと思い出を仕舞っておきます(大切にします)」って意味に私には捉えられて。あああああ三船栞子さん、それはあまりにも……!!!! って発狂してました。

まあ作品解説をするならば無難に「しおぽむ悲恋モノ」とかになるのかもしれませんが、そういった物にありがちな悲壮感は全くなくて。栞子ちゃんがとにかく格好良い、素敵な愛のお話だな、と思いました。素敵。

以前笹鎌さんが『青き日のカナリアへ』で全部出し切ったと放送で仰っていたのですが、いや本当にこの作品を読んだらそれはそうだな、と思いました。「しおぽむ」の良さがあまりにも詰まっていて。熱意が伝わってくるというか。未来のしおぽむを過去にするというか。教本、経典、バイブルです。内容的にもみんなにオススメできるのも非常に嬉しいですね! 運良く書籍版を入手出来たら布教して回ろうと思います。

お付き合い頂き、ありがとうございました。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?