水筒という家事がある

よく寝られず、寝られないなあと思いながら夜じゅうぼんやり横になっていた。

そういう日はたまにあって、だいたい明け方寝つく。眠りが浅いからか朝になり目覚ましがかかると「起きる」というよりも「気づく」感じで目が覚める。

目覚ましがなって気づいた。身を起こした。

子どもらのお弁当を作って水筒を用意する。

「水筒」という家事があるなと思う。炊事・洗濯・掃除というスター家事があるわきにゴミ出しや布団干しのような細かい家事があるものだが、水筒ももはやあれは一つの家事だ。

洗って中に飲み物を入れるだけだけれど、お茶を沸かしたりスポーツドリンクの粉を溶かしたり漏らないかパッキンの様子を伺ったりパッキンの茶渋を洗ったり重すぎないか気を配ったり、ほかの家事にはない、水筒ならではの要素がある。

そして私は水筒は家事のなかでもかなり苦手なのだった。苦手すぎて中身の飲み物を作るのはもう諦め、2リットルのペットボトルで麦茶やスポーツドリンクを買う、金での解決を導入するほどだ。

着ようと思ったグレーの半そでのカーディガンを娘が見て、それかわいいから欲しい! というのであげた。もう一着色違いで黒を持っているので私はそっちを着た。娘もグレーの方を着て、おそろいになってうれしい。

家族はそれぞれ持ち場へ散り、私も仕事へ。野外が暑い。

帰ってクーラーをかけて横になっていると息子が帰ってきた。寝ている私の足を持ち上げ引っ張ってずるずる居間から台所まで運んでから手を離した。とすんと足が落ちた。はははと笑うので私もわらった。

ウーバーイーツのチラシがポストにはいっていたのを息子がみて、暑いと悪くて頼みづらいよねという。確かになあ。仕事と、仕事を依頼することについていろいろと話し合った。

娘を英語学童に迎えに行く。最近また先生たちに英語で話しかけてもらえるようになったので英語を練習したい。

帰ると昨日まで切れて困っていた蛍光灯の新しいのが届いていた。よっしゃよっしゃと付け替えるが、ああ、なんということか、蛍光灯は新しくてもビカビカして点灯しなかったのだ。

ちょっと想像はしていたのだが、照明器具の本体が壊れているパターンか(グロー球はどこにも見当たらない)。よくわからない。いっそ新品にという息子の後押しもあり新しいLEDのシーリングライトを注文した。

対策をしても効かず部屋が暗い。これこそが人生という充実感があった。

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