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私のおじいちゃんは老害

単刀直入に言おう。私の祖父は老害である。
頑固だし、お店の人に文句を垂れる。

以前回転寿司に行った時のこと。
テーブルの上にある引き出しを指して
「お箸は逆にして入れておいてくれ!これじゃ口に含む部分を触らなきゃいけないだろう!」
と店員にクレームをつけた。
なにも反対側に座れば解決する話である。
自分の不都合に我慢ができないのだ。
自分が絶対に正しい。それ以外何も疑わない。
では、なぜ老害になるのか?


それは自信がないから。


無条件に自分を受け入れてくれる
存在(親であることがほとんど)がいないと
自信が育たない。
父を早くに亡くし、若くして上京した祖父は
両親と満足な時間を過ごせなかっただろう。

怒鳴り上げてまで主張を押し通し
"勝つ"ことで自信を保っているのだ。

クレームで人を不快な気持ちにさせている事実は、身内として恥ずかしく思う。
でも私はおじいちゃんが嫌いじゃない。

何故なら彼の中に
愛があることを知っているからだ。
おじいちゃんは
やさしい声で飼い犬を呼び、
たくさん撫でてあげる。
またね、と手を振ると笑顔で返してくれる。
私が7年飼っていた金魚が死んだ時は、
「おやすみ」と静かに手を合わせて花をたむけていた。

(頑固でも、おじいちゃんらしく生きてくれればそれで良いよ)

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