Vol.6 アーユルヴェーダにとって”病気”って何? -母-

こんにちは 
アユヴェ.com 母です

いきなり春めいてきましたね。
ついこの前まで最低気温がマイナスだったのに…
毎朝の散歩コースに咲き始めた梅がとても良い匂いで気持ちが上がります。


さて、
娘の投稿を読んで
アーユルヴェーダ(東洋医学)は経験論的な要素が多いのか?と思っていたけれど、
論理的に説明できる体系を持っているんだなぁ、と言うのが感想です。

西洋医学に身を置いている私は、
論理的に考える事を求められて育っていますので

「スラッと読めてわかりやすい」 
「面白い」

︎ これが感想です。

以上…ありがとう


と言いたい所ですが
頑張って勉強している娘に悪いので…
ふと 思い出した事を書きます。

質問では無いので
娘、安心して下さい(笑)

私がクリニックに勤めていた時に受診をした患者さんの話をしましょう。
(この様な方はとても多いです。)

胸が苦しい…と来院した
40代の男性です。

クリニックの一連の流れは以下の通りです。


問診
(多分皆さんも経験があると思いますが)
・いつから
・どんな症状
・既往歴(今までに罹った病気) etc…

アーユルヴェーダーの様な体質的な質問はなく、
唯一アレルギーが無いか?くらいです。
(あくまで内科のクリニックの問診の内容です)

医師からの問診
(医師が必要だと思う情報を聞きますので、医師のパーソナリティや診療科によって違います)

診察(聴診器を使って胸の音、心臓の音を聞きます)

検査(胸部のレントゲン、心電図、採血検査くらいでしょうか…)



では、今回の患者さん(胸が苦しい)の例では、
西洋医学的にはどの様な診断をするでしょうか?

医師からの質問(医師からの問診)
 Q:いつから症状がありますか?
   →2週間前くらいから
 Q:どんな症状ですか?
   →胸が苦しくて息がしづらい。
    心臓がどきどきする。
    でも、常に苦しいわけではない。

医師の聴診(診察)
→肺に空気がしっかり入っているのか?
 心臓に異常な雑音は無いか?  聴いています。

胸のレントゲン(検査)
→胸部に何か影はないか?
 (癌、肺炎、結核、胸に水が溜まる:胸水など…)
 肺に穴は空いてないか:気胸?

心電図(検査)
→狭心症、心筋梗塞、脈の乱れは無いか:不整脈?

採血(検査)
→健康診断で行われる検査
 炎症反応、問診で考えられる項目
 (詳しく書くとキリがないのでサラッと)

このように、胸が痛いと言う症状(現象)の
病気を探していきました。

医師が何も問題無かったと結果を患者さんに伝えると 
とてもホッとされました。
しかし、治療薬が出るわけでも、ましてや手術をする必要も
なく、はて??
ここからどうしようか?
となります。

ではここで、この例での私の働きかけはというと、
問診票に目を通し、
患者さんの顔色、表情、声のトーン、選ぶ言葉を観察して
なんとなく病名を思い浮かべます。

診察に同席し、担当した検査では、
例えば心電図を取る時には、リラックスできる様に言葉をかけます。
リラックスしていないと、心電図の綺麗な波形でとれないからです。
『今日は寒いですね』
『このベッド硬くてゴメンなさいね。』
『ところで家では良く眠れていますか?』 とか
採血をする時は、食事をした最終の時間を聞きますが、
同時に『最近は、良く食べれていますか?』と質問します。

看護師は医師より患者さんに近い存在ですから
データでは見えてこない情報を引き出す事も大切な仕事です。


余談ですが、
私達看護師のバイブル? ナイチンゲールの看護覚書の13項目の中に

「病人の観察」という項目があります。
表情や顔色、排泄物(外来では尿検査ですかね)などを観察して
患者さんの体調を分かる様にします。
基本の き です。


医師に
私が何気なく聞いた情報を伝えます。
『最近、仕事の移動がありとても帰宅が遅くて、
 食事が不規則で、睡眠も良く取れていないそうです。』

医師は、胸には異常が見つから無かったけど、
眠れていないのは良くないから、少し眠りやすくなる 軽い安定剤(睡眠薬としても使われる)を出しましょうか? と言うと
『はい。そうして下さい』と希望されました。



ここでの病名は限定しませんが重要な事は、

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本人はとても苦しくて怖かった胸の症状が
病気でなかったことに安心をされていました。
この診断で胸の症状の不安は軽減します。
(まだ症状が消えた訳でも無いのに…です)

ここでやっと、本人の気持ちに余裕が出ます。

そこで、初めて医師が
『眠れない事は、辛く無いのですか?』と質問しました。
『確かに…。胸の苦しい事ばかりが気になっていたから…』


「でも”眠れない事” もつらいですよね?」と医師がもう一度質問した時に、
本人が腑に落ちた表情をされていました。
(そうか、自分は生活がとても不規則だったんだ…と) 
ここで、胸が苦しい事から眠れて無い事に
フォーカスが移動するのです。

いきなり、眠りやすい薬を出そうかと言われても、、、??
納得出来ません。

西洋医学は、娘いわく
「病名がつけられる=病気」のようですが、
それ以外は治療の対象にならないのでしょうか?
病名のつかない胸の苦しさに、何もできない / しないのでしょうか?

この症例を見て皆さんはどの様に感じたでしょうか?

結果、この患者さんは
眠りやすくなる薬は、安定剤の作用のある事も理解した上で、
数日内服されて、胸の苦しい症状は良くなりました。

私は、この患者さんの様な症例の経験を沢山得て来ました。
30年看護師ですから…

そして私の看護の価値観が
何をベースにしているのか?
noteに投稿する作業をする過程で見えて来ました。

娘の投稿を読み、アーユルヴェーダーを勉強する事で
気づきを得れてる…
素晴らしい経験です。

ダラダラと取り止めの無い内容となりましたが
娘からの質問や感想もお受け致しますよん。

(こんなやり方で良いですか?)
(模索中NOW)

では次の投稿も楽しみにしてますね♪

-母-

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