昭和43年の横田家を妄想
本誌は昭和39年(1964年)主婦の友1月号の付録です。
雑誌が家計簿となっており、横には366日のおかず献立が掲載されています。
昭和39年といえば、東京オリンピック・パラリンピックが開催されたり、日本武道館が開館されたり、と歴史的な1年だったようです。
また、カルビーがかっぱえびせんを、ミツカンが味ぽんを発売するなど今でも馴染みのある食品が誕生した年でもあります。
家計簿
さてさて、この本の持ち主がしっかり家計簿をつけていましたので、どのような生活を送っていたのか推測してみましょう。本誌の発刊は39年ですが、家計簿がつけられたのは43年からのようです。
まず、挟まっていたレシートからお住まいは埼玉県と思われます。
またレシートがかっこいい!
放送受信領収書も発見!家主はヨコタリュウタロウさんですね。
家計簿をたどっていくと・・・
茂くんと弘子ちゃんのお小遣い項目がありますね。
そして魚4切、ということで4人家族と確定して良いでしょう。
書いているのはお母さんだろうな〜
毎月ハトの餌も購入しています。
読み進めていた結果・・・
父(リュウタロウ)は愛煙家でハイライトやゴールデンバットがお気に入りだった模様。
母は主婦の友や婦人百科、暮しの手帖などを購入しており、定期的にパーマを当てています。(パーマ代2000円前後)
生地も購入しているので服も手作りしたりとよいお母さん。
茂はボーイスカウトに入隊しており月謝の支払いがある。
43年2月に千葉大出願料を払い3月に受験するも受からなかった模様・・・
同年4月に自動車教習所に入学(入学料25000円)仮免受験で1250円、
免許証600円と続きますので、無事運転免許は取得したようです。
そして翌年4月に入学料12000円!!千葉大に入学したのでしょうか、翌月には茂アルバイト3900円(朝日)の文字が!!おおーー茂!!ついに大人になった!!と感心。その後の家計簿には茂1000円が立て続けに記載されたり、
茂治療費、とありなんだか手のかかる子だなという印象です。
それに比べて弘子に関する出費がほぼ見当たりません。
お小遣いはもらっているようですが・・・。
都立高校受験、の記載があるのは弘子かな〜
なんだかしっかりものな気がします!
横田家の出費で特徴的なのは、毎月1000円前後旅行積立をしていることや、お寺寄付400円。食材は豆腐やギョーザ、うな丼が頻繁に登場します。
また、せんべいやアイスクリーム、羊羹、コーラなどおやつ類も時々購入していたようです。
日記の枠にも収支のメモが多いのですが、1日だけ日記がありました。
(昭和43年2月)
15日朝から降りだした雪は16日午前中いっぱいふった 交通マヒが各地におきた。
それだけ印象的な事態だったのでしょう。
調べてみると、1960〜1973年まで映画館で毎週放送されていたニュース映画、毎日ニュースでも取り上げられており当時の東京は雪で電車やバスが止まり、動きだしても溢れんばかりの人で大変だったようで『災害無防備都市東京』と報道されていました。
家計簿は一年分のはずが一行に細かく書かれており枠が余っていたためか、昭和42年から47年夏まで続いています。約5年分の生活がこの家計簿には詰まっています。当時どんな生活をしていたのか想像が膨らんで面白いですね〜。しかしまさか50年後見知らぬ誰かに読まれるとは思っていなかったでしょう・・・。
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