EasyWriter

今、人類は、世界はどうなっているのか、私たちはどんな時代に生きているのか、どこへ行こうとしているのかを、色々な本を読みながら勉強し、考えていきます。学術的にハイレベルなことは書けませんが、気楽に読めるようにしますので、楽しみながらおつきあいください。

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マガジン

  • 勉強の時間  人類史まとめ

    「勉強の時間」で連載した「人類史まとめ」全編をまとめてみました。

  • 勉強の時間 自分を知る試み

    人や社会、民族や国家といったものを、人はどんなふうに見ているのか、どう考えているのか、なぜそういう見方・考え方をするのかといったことをあれこれ考えています。僕のミスで記事の順番が混乱していたので、マガジンを新しく作り直しました。

  • 三千世界への旅 魔術・創造・変革

    「人類史まとめ」で歴史を、「自分を知る試み」で思想・哲学についてざっくり考えたことをふまえ、この「魔術・創造・変革」では、ルネサンスとか近代の革命といった歴史的な変化がどんなふうに起きたのか、そのとき生きた人々の中で何がどんなふうに起きたのかを考えています。

  • 三千世界への旅 ネアンデルタール

    我々人類と共通の祖先を持ち、約50万年前に枝分かれして、人類より先にユーラシア大陸で数十万年も生きたネアンデルタール人。彼らについて学んだことから、人類とは何かについて考えてみました。

  • 三千世界への旅 アメリカ

    アメリカがなぜ、どんな過程を経て、今のような超大国になったのかについて書いています。

最近の記事

【クラクラ旅日記】青森 太宰治の生家「斜陽館」

10月17日(木) 観光地化した豪邸 金木駅は津軽鉄道の中でも主要駅なのか、駅舎は立派だが、降りたのは僕ひとり。 日本中どこにでもある感じの家と商店が並んでいる通りを10分弱歩くと、急に旅館みたいな建物が見えてきて、それが「斜陽館」だった。 大きな通りに面していて、向かいには観光バスが何台も停められる駐車場や、土産物店兼休憩所もある。国の重要文化財らしいので、それなりに観光客が来るらしいが、今は閑散としている。 建物の中に入ると、間口の広い土間が奥まで続いていて、入

    • 【クラクラ旅日記】青森 津軽鉄道に乗って太宰治の生家へ

      10月17日(木) 電車とバスを乗り継いで五所川原をめざす 青森に来た最大の目的は達成できたので、あとは弘前城の近くにある古い武家住宅街とか、商業で栄えた黒石の古い街並みとか、五所川原の近くにある太宰治の生家とか、見てみたいものはいくつかあるものの、どこを優先したいということもない。 どれも電車やバスの接続がうまくいけばそんなに時間はかからないが、1時間に1本くらいしかないので、ひとつ逃すと厄介なことになる。 とりあえず今夜ホテルを確保している五所川原に移動して、時間

      • 【クラクラ旅日記】青森〜三内丸山遺跡つづき あみ籠ポシェットと酒づくり

        10月17日(木) 縄文にアートを求めてしまう現代人 博物館に展示されている土器や土偶は、新潟の火焔土器や山梨・長野の土偶みたいに、衝撃的な形状のものはない。 三内丸山の縄文人は、芸術的な衝動や信仰からくる情念の爆発ではなく、もっと穏やかな精神で日常の実用品を作る人たちだったのかもしれない。 それでも土器につけられた縄目模様や、粘土をこねて作った飾りに、特に実用的な機能はないだろうから、なんらかの美意識や信仰心がそこに込められているのは感じられる。 火焔土器の「芸術

        • 【クラクラ旅日記】青森〜三内丸山遺跡

          縄文の暮らしを想像してみる 10月17日(木) 三内丸山遺跡は博物館も含めて、これまで訪ねた縄文博物館のどこよりも壮大だった。遺跡に復元された建物の数も突出して多い。 それでも、縄文遺跡から何を受け取るかは、結局のところ想像力の勝負だと、改めて思った。 ここには10くらいの建物が復元されているけど、実際にはもっと広いエリアに、50から100くらいの建物が集まり、多いときには500人くらいが暮らしていたという。 集落は縄文前期から中期にかけて、トータル1500年以上続

        マガジン

        • 勉強の時間  人類史まとめ
          28本
        • 勉強の時間 自分を知る試み
          31本
        • 三千世界への旅 魔術・創造・変革
          81本
        • 三千世界への旅 ネアンデルタール
          11本
        • 三千世界への旅 アメリカ
          21本

        記事

          【クラクラ旅日記】青森〜不意打ちの連続

          新幹線は立ち席 10月17日(木) 旅行や地方出張の日はいつも目覚ましが鳴る前に起きる。 寝不足だけど、めまいの気配はないので、いつもより早く起きていつもの朝食を作って食べ、明るくなってきた頃に家を出る。 渋谷から埼京線で大宮まで。朝早いからか、ずっと座れた。 ところが、大宮で新幹線のチケットを買おうとしたら、7時台はどれも満席。 コロナ明けの国内旅行ブームか、インバウンド客が大挙して北東北をめざしているのか、それとも今東北は意外と経済発展していてビジネス客が多い

          【クラクラ旅日記】青森〜不意打ちの連続

          【クラクラ旅日記】10月の青森へ 

          めまいがするので旅に出ることにした 10月16日(水) 原稿を毎日書いてると、時々あることなのだけど、意識がフワフワしたり、よろけたりする。 もう少し若かった頃は、カネのためにキャパオーバーな仕事を受けてしまって、首や肩や背中がガチガチに固まったり、疲れてるのに眠れなくなったりしたときに、トルネードスピン的なめまいの発作に襲われた。 70歳を過ぎて最近は仕事も減り、好きな歴史や思想的なことについて、原稿書きといっても無責任なエッセーをnoteにアップするだけなので、わ

          【クラクラ旅日記】10月の青森へ 

          倭・ヤマト・日本28 和を尊ぶ日本的システム

          神武東征の激しさ 『日本書紀』の神武東征物語によると、神武天皇に率いられた勢力が大和に攻め込み、先住民の王権を打倒した征服戦争はけっこう激しかったようです。 神武の軍勢は今の大阪平野から奈良盆地に攻め込もうとして、先住民側に撃退され、和歌山の熊野へ南下して川沿いに北上し、激しい戦闘の末に大和を征服しています。 これも前に書きましたが、『日本書紀』は勝者側の神話・歴史書で、何でも書き放題ですから、天孫系の神の子である神武が直接天から大和に降り立って、神の力で平和的に旧勢力

          倭・ヤマト・日本28 和を尊ぶ日本的システム

          倭・ヤマト・日本27 征服と和解

          不合理でもOK 天皇というシステムとそれにまつわる神話的なストーリーは、飛鳥時代の改革期に強く意識されるようになったのですが、その内容は新しいものではなく、古くから受け継がれ、蓄積されてきた神話・歴史を根拠としたものでした。 その蓄積は弥生時代から古墳時代を通じて、日本列島に渡来した勢力が、先住民の文化を抹殺せず、むしろそれを取り入れたことを物語っています。 飛鳥時代から奈良時代にかけて生まれ、確立された天皇像や天皇制というシステムが支持され、日本人全般に定着していった

          倭・ヤマト・日本27 征服と和解

          倭・ヤマト・日本26 日本人の精神構造と天皇

          天皇の不思議な生命力 前回、倭・日本の改革が百何十年も続いたのは、海に守られた島国だったからという話をしました。 海外勢力との激しい衝突がなかった分、この改革は国内で色々な勢力の抗争を繰り返しながら、決着は曖昧なまま続いたのですが、その過程で天皇という、国の王・最高権力者であると同時に、天からやってきた神の子孫というイメージが確立されていきました。 こうして生まれた天皇制は、朝廷による統治の時代が終わった後も、鎌倉・室町・江戸という武家政権の時代を生き延び、明治の近代化

          倭・ヤマト・日本26 日本人の精神構造と天皇

          倭・ヤマト・日本25 表裏一体の改革と古い価値観

          改革の時代の女王・女帝 7世紀の倭国と中国に女王・女帝が出現したのは偶然でしょうか? 偶然ではなかったと考えられるひとつの理由は、この時期が東アジアにとって変革と混乱の時代だったことです。 変革と混乱の時代なら、物騒なので男王・男帝が活躍しそうなものですし、事実男王・男帝もたくさん活躍していますが、変革と混乱の時代は、そういう既成概念が通用しない時代でもあります。 唐の武則天は、遊牧民・騎馬民族勢力である隋・唐が、中国を約400年ぶりに統一した時期に登場しています。

          倭・ヤマト・日本25 表裏一体の改革と古い価値観

          倭・ヤマト・日本24 女神・女王の必要性

          創世神話のほころび 天から降り立った神々の子孫である天皇が、太古から支配してきた日本というフィクションを機能させるには、神話のストーリーにもっと工夫が必要だと、『記紀』の編纂チームは考えたようです。 天皇家の正統性を確保したいなら、天に神々がいて、彼らが地上の世界を創り、神々の子供たちが地上に降り立って、地上とそこに住む人々を支配するようになり、そこから代々の天皇の統治が始まったということにすればいいはずですし、半島の高句麗や新羅、百済の創世神話はそういうシンプルなものに

          倭・ヤマト・日本24 女神・女王の必要性

          【クラクラ夢日記】 近未来の蒲田で肉を食べる夢を見た

          知らない男たちと、夜中の街へ取材に行く夢を見た。 そこは京浜東北線の大井町か蒲田のようなのだが、いつの間にか10年か20年経っていて、町中の建物がまばゆい電飾で覆われ、ねぶた祭りかエレクトリカル・パレードの出し物みたいに動いている。 取材チームのディレクターだかデザイナーだか、初めて会う男がお祭りに浮かれている感じの陽気さで、カラフルな僕の写真がプリントされた大きな名刺を何か見せてくれる。 僕の個人事務所の住所やメールアドレス、電話番号が入っていて、写真は僕がどこか巨大

          【クラクラ夢日記】 近未来の蒲田で肉を食べる夢を見た

          【徒然日記】 ゲームのような闇バイト、バーチャル空間の強盗殺人

          現実感の薄い犯罪 SNSで集められた素人集団が、スマホで指示を受けながら、民家に押し入り、年寄りを縛ったり、殴ったり、場合によっては殺したりして、たいした額でもないカネを奪う事件が立て続けに起きるのを、テレビやネットのニュースで見ていると、凶悪な強盗殺人が、なんだかファンタジーやゲームの世界で起きている、フィクションみたいに感じられる。 実行犯たちも、カネに困っていたとか、遊びのカネがほしかったとか、わりと軽い動機でやっているようなので、彼らもそれほど現実としての実感がな

          【徒然日記】 ゲームのような闇バイト、バーチャル空間の強盗殺人

          倭・ヤマト・日本23 「日本」創造の手法

          隋・唐との交流・軋轢で鍛えられた倭国 天武の改革が、飛鳥時代の倭国から新しい「日本」という国を創造することだったという話から、もう一度飛鳥時代の最初にさかのぼって、政治的な事件やその背景にあった半島との関わり、倭国内で政権を動かしていた百済系勢力などについて見てきました。 飛鳥時代に起きたことについては、前にもたどりましたが、今回は倭国の国家・民族意識や、天武がめざした新しい「日本」創造が、どういう経緯から生まれたのかに焦点を当てました。 隋・唐という中国を統一した超大

          倭・ヤマト・日本23 「日本」創造の手法

          倭・ヤマト・日本22 倭国内百済系勢力の氏族主義と国家主義

          百済の影響から読み解く飛鳥時代 僕がせっかく天武・持統時代の改革まで辿り着いたのに、もう一度推古・聖徳太子の時代までさかのぼって、倭国の改革とナショナリズム、国家としてのアイデンティティーについて考え直しているのは、天武の改革、それを可能にした壬申の乱が、百済の支配・影響力からの脱却を抜きにしては考えられないからであり、その百済による支配・影響は推古・聖徳太子の改革からすでに倭国を縛っていたと考えることができるからです。 僕が百済の異常な影響力を意識するようになったのは、

          倭・ヤマト・日本22 倭国内百済系勢力の氏族主義と国家主義

          【徒然日記】 イーロン・マスクと独裁者の時代

          『イーロン・マスク』ウォルター・アイザックソン 夏に読んだ本で、一番心に引っかかったのは、ウォルター・アイザックソンの『イーロン・マスク』だった。『スティーブ・ジョブズ』の作者によるイーロン・マスク伝。 伝記と言っても、マスクはまだ生きているし、テスラやスペースX、旧ツイッターのXなど、経営する事業も継続中だ。 南アフリカでの子供時代や、あまりまともではない両親のことも語られ、複数のビジネスを同時並行的に進めていくマスクの異常な仕事ぶりと、彼のエキセントリックな人格が、

          【徒然日記】 イーロン・マスクと独裁者の時代