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組織内に風を吹かせる

 今回は「学校組織マネジメント」について考えてみます。

 学校組織マネジメントを推進する基本理念として「チーム学校」があります。この概念については、あらゆる場面で幅広く使われていますが、その意味を学校全体で共通理解することが大切です。
 チーム学校とは、「団結することを促すこと」「全員で同じ取組をすること」「協力して仕事に取り組むこと」といった表面的なものではありません。もちろん、学校でおそろいのTシャツをつくることでもありません。
 
 チーム学校とは、校長の指導の下で、カリキュラム、教育活動、学校の資源を一貫してマネジメントし、教職員や学校内の多様な関係者が各自の専門性を活かし、〖子供たちに必要な資質・能力を確実に育成することのできる学校〗になります。

 言い換えると、教育プロフェッショナルに限らず、学校を取り巻く全ての関係者が教育ビジョンを共有し、各自の強みを最大限にいかし、【確実に】目指す資質・能力を育成するプロ集団と言えるのではないでしょうか。

 「チーム学校」になるためには、学校組織マネジメントが肝になってきます。マネジメントの視点として、職員や保護者等の意識を「変わる(変える)」、学校や職員、地域等のよさや強みを「見つける」、職員や外部資源等を「つなぐ」ということがよく言われます。

 中でも最も難しいのが「変わる(変える)」ことでしょう。
 確かに学校は組織体であるとの認識が薄く、変革の必要性をもちにくい、たま、成功体験にとらわれてしまう等の傾向があります。職員の意識も含め、学校の文化や風土を変えるためには、外部から風を入れることが効果的と思われます。コミュニティスクールの導入や、学校間(縦・横)の連携を通じて、新たな視点やアイディアを共有することになるからです。

 しかし、最も重要なのは、学校内の職員間のコミュニケーションと考えます。多忙な学校現場においては、職員同士の理解や強みを共有する場があまりありません。
 教育ビジョンの具現化やプロセスの共有について対話を重ねることによって、互いの思いや考え方の違いを理解することができます。そこには多様性が生まれます。多様な異なる他者が協働して課題を解決することを通して、共に成長することが、組織を変革させるきっかけとなります。
 職員間の関係性が良好であれば、多様なアイディアが生まれ、質の高い意思決定が行えます。これによって行動の質が向上し、結果として学校全体の質も向上するものです。この循環は、組織内に風を吹かせることにもつながるはずです。


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