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「初任者の心得とは?」と初任者に聞かれたら?

来年度、はじめて教壇に立つ学生の前で話をする機会があった。最後の質疑応答の時間、次の質問が出された。

「初任者の心得はどのようなものがありますか。」

私が初任者の頃、心得的なものを指導された記憶がない。いや、指導していただいたと思うが、新しい環境の中ではじめての仕事等に追われる日々が続き、心得を意識するどころではなかったのだろう。

ある程度、経験年数を重ねた今、初任者にとって、以下の3つは特に大切なことと考える。先人がよく言うことではあるが、やはり深い意味がある。

①メモを取り、1日の終わりに見直す。     ➁報告・連絡・相談等を行う。        ➂健康第一で考える。

①メモを取り、1日の終わりに見直す。

ノートやシステム手帳を用意し、とにかく何でもメモを取るのである。            メモの内容は、職員会議、学年会、打合せの内容や、子どもたちの様子などだけではない。立ち話での内容等もできるだけ、メモするようにする。仕事に関しては、特に「何をどのようにすればよいか。」「提出するものは何か」などを把握するようにしておく。ノート等には、児童名簿、年間計画や校務分掌など日ごろから活用するものを貼り付けておくと、メモの効率化が図られる。学校のリズムに慣れてきたら、タブレット等を活用して情報の管理を行ってもよい。そして、1日の終わりにメモを見直すのである。メモを見直すことを通して、次の日の自分の仕事や考えることが分かってくる。自分にできることも増えてくる。聞き手がメモをとると、話し手の自己肯定感は高まるので、先輩とよい関係を築く上でもメモを取ることは有効である。

➁報告・連絡・相談等を行う。

はじめは、自分の仕事の進捗状況、学級で気になったことなどについて、学年主任に報告・連絡することが望ましいと考える。報告・連絡があると、学年主任は具体的なサポートがしやすくなる。また、初任者は「何が重要な情報であるのか」がつかめないことがある。「これぐらい報告しなくても大丈夫だろう」と思い、報告しなかったことでおおごとになることがある。重要な情報というのは、状況によって変化することもある。このことを踏まえて、はじめのうちは、報告・連絡をまめにすることが大切である。また、相談も忘れないようにしたい。相談の仕方としては「どうしたら、学級が落ち着きますかね。」というものではなく「学級を落ち着かせるために〇〇をしたいと思っていますが、どう思いますか。」という提案型の相談がよい。よいと思ったら、すぐに取り入れることも大切である。分からなかったら、困ったらヘルプを出すことは、初任者にとっても必須の「スキル」である。ヘルプをだせば、誰かが助けてくれる。一人で悩まないで早めにヘルプを出すことが大切である。

➂健康第一で考える。

年度当初は、緊張の糸がピーンと張っているので、疲れを感じないかもしれない。しかし、体力的にも精神的にも疲れは溜まってくる。日々、しっかり休むことがとても重要である。できるだけ、死守したいのは、睡眠時間の確保である。睡眠時間を確保し、残りの時間をどう使うかを考えるようにするとよい。初任研では、教師としての姿勢や服務関係、授業についての研修が多いと思われるが、子どもたちは、初任者にすばらしい授業をあまり期待していない。期待しているのは、元気で明るい先生、コミュニケーションをとってくれる先生である。その姿に子どもたちはよい意味で感化される。そのような先生であるためには、まず、自分の健康第一に考えることである。毎日、寝不足等が原因で不機嫌な先生が学級にいたら、学級に与えるマイナスの影響は予想以上に大きいことを理解しておきたい。

初任者が来るだけで学校は活性化する。

初任者の存在そのものが、学校へ貢献していることも付け加えておきたい。

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